【SABIA PROFOUNDO】―それは名機が「陸」から「沖」へと翼を広げた証明である
ロッドとは、時に偶然から進化する。
発売からおよそ8年、多くのユーザーに「ライトゲームの名機」とまで謳われるに至った「FXB-67UL Tres SABIA」。その本来の用途は、メバル・カサゴ・チヌ・小ハタといったライトターゲット用のショアロッドである。しかし近年、その高感度かつ粘るブランクスが思いがけずオフショアのタイラバゲームで竿頭を量産するという出来事が、プロフォンド開発の流れへと誘っていった。

レオン 加来 匠(Kaku Takumi) プロフィール
サビア・プロフォンド開発の背景
“プロフォンド”とはイタリア語で「深い」を意味する。このモデル名には、「深場をもっと攻められるサビアを」という私の想いが込められている。
サビアシリーズといえば、ライトゲームのど真ん中を狙った「しなやかで繊細な操作性」と「芯のある強さ」のバランスが特徴。そのDNAを保ちながらも、より深く、より重く、そしてより広く…を意識してチューニングしたのが、このプロフォンドだ。

鮮やかなメタリックスカイブルーカラーはオフショアによく映えると共に、ナイトゲームでの視認性も◎
そもそもだが、ティップはサビアらしく高感度で柔軟。そしてベリーからバットにかけては、20g前後のフロートや重めのキャロにも対応できるよう、しっかりとした反発力を持たせている。たとえるなら「繊細なサーフェイスレーサーが、ヘビーカバーに突っ込むスピナーベイトを背負うような懐の深さ」を備えたロッドだ。
「これを船竿としてチューニングしたらどうなるのか?」
その問いに本気で向き合い、丸三年の検証と改良を経て誕生したのが、サビア・プロフォンドである。
サビアからプロフォンドへ――進化の必然
このプロジェクトの監修に名乗りを上げたのは、山口県岩国市の人気遊漁船「DSK FGS」の松木キャプテン。実は現行67サビアが、彼の船に乗るアングラーからタイラバ用として重宝され、何度も専用タックルを抑えて竿頭を取ったという実績があった。
そのフィードバックが開発の起点だ。

グリップ部のパイプに監修者「DSK」の表示
そこから、オフショアゲームに本格対応すべく、ガイドサイズの小径化、スパイラルガイドセッティング、ロンググリップ化、ロッドバランス、などの見直しを行い、バーチカル方向でのバランスと実用性を徹底的に追求した。
それでいて、サビアが本来持っていた“類まれなるブランク性能”は一切犠牲にしていない。むしろ深場でも「感度をもって釣れる武器」としての側面が、より明確になったと言っていい。
フィネス=浅場で軽いヘッドというイメージがあるが、激流ポイントで通常より軽いヘッドを使ってフィネスアプローチをするという方法もある
アプローチの多様性がタイラバをさらに面白くする
サビアプロフォンドは、専用チューンで新たなタイラバの世界を体験出来ます!@inxlabel_jp @MEBALEON pic.twitter.com/4e7lluIdki
— dsklife〜瀬戸内ボートフィッシング〜 (@dskproject) June 2, 2025
フィネスだからこそ、オフショアでも勝てる
松木船長からの印象的な報告がある。
先日久しぶりに知り合いの船でタイラバに行く友達に、サビアプロフォンドプロトを貸してみました。その時の感想がなかなか面白かったです。
知り合い夫婦が0枚の中、借りた友人は3枚。
そして返しに来た時の第一声が
「あの竿ドチャクソ感度いい。変化がビンビンくる」
「凄いですね、情報量が多いのに無駄な情報がない」
というものでした。
これは、決して大げさな話ではない。
プロフォンドの“フィネス性”が、船上という過酷な環境でも圧倒的な釣果の差を生むことがあるという事実だ。さらに松木キャプテンからの報告だが、「2ノットの激流下で120〜150gのタイラバが必要とされる状況でも、プロフォンドは細糸を活かす設計により、80〜100gで同様の釣りが成立する」という。これが意味するのは、アプローチの自由度と感度の維持、そしてキャッチ率の向上だ。
「PE0.6号に16lbリーダー。プロフォンドは魚の引きにも潮の圧にも追従するから、掛けてからもバレにくい」
これは船上の“ガチ”な現場で導き出されたリアルな答えである。
多彩な対応力:タイラバ、スロージギング、ボートミドル、ケンサキ
サビア・プロフォンドは単なる「タイラバロッド」ではない。その設計思想はもっと広い。SLJスロージギング、タチウオジギング、ボートミドルゲーム、そして繊細な操作が求められるケンサキイカゲームやメバルやアジのバチコンまで、~一本で多彩にこなせる対応力を持つ、まさに「新しいオフショアライトロッド」~なのだ。
実際、テスト段階でタイラバゲームにてプロフォンドを使用した、熱心なインクスサポートアングラー「あつあつ」君が、一人でつ抜け(10枚以上)を達成。同乗した他の乗船者の釣果がMAX5枚だったことから見てもその差は歴然だった。
ライトゲームでも唯一無二のSABIA
その感度と携帯性を受け継ぎつつ、DSKFGS松木船長の経験でフィネスタイラバチューンしたのがこの一本。
驚くべきはその ”追従性”
「 その先 」を感じれる唯一のロッド🎣#サビアプロフォンド pic.twitter.com/4vweA0Z68X— あつあつ (@atsu01108) June 2, 2025
サビア プロフォンド
タイラバ、スロー、ケンサキとかなり幅広く使える1本👌
これ1本あればボートで色んな事できるから、個人的におすすめですわ🫡#INXlabel#インクスレーベル#サビアプロフォンド#タイラバ#スロージギング#ケンサキ pic.twitter.com/cMXnrOStfI
— ゆーすけ (@yusuke1212121) May 1, 2025
感度×操作性×対応力=未体験ゾーンへ
私がこのロッドに込めたのは、「深さ」を恐れず、「繊細に制する」という信念だ。
魚が沈む季節、潮が複雑な場面、他のタックルが沈黙する中でも、フィネスという哲学を貫いたロッドが勝利する瞬間が確かにある。その可能性を、ぜひあなたの手で体感してほしい。
現在「サビア・プロフォンド」は、2025年7月中旬頃の出荷を目標に、最終調整と生産準備を進行中だ。
ライトゲームの名機が、ついにオフショアで羽ばたく…その瞬間を、どうか楽しみに待っていてほしい。