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【シャウト!末永駿也が解説】ビギナーのための「ヒラマサジギング」攻略ガイド

寄稿:末永 駿也
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初めまして。シャウト!フィールドスタッフの末永駿也です。

末永 駿也(SuenagaSyunya) プロフィール

ジギングメーカー「シャウト!」のフィールドスタッフ。 長崎在住。玄界灘をメインにオフショアのキャスティングやジギングでヒラマサをメインに追い求めるアングラー。 ビッグゲームだけでなく、メバリングやエギングなど幅広い釣りに造詣が深い。

まず最初にヒラマサと聞くとイメージするのは強烈な引き、スピードの速さ、根に走って根ズレするなどのイメージがあると思います。個人的にはカッコイイことだったり、その食味も印象的。

今回はそんなヒラマサを狙う一つの釣法として、昔から確立されてきた“ジギング”でのヒラマサの釣り方やタックルの紹介を踏まえ、「ゼロからわかるヒラマサジギングの魅力」をお伝えできればと思っています。

2017年2月上旬キャッチしたヒラマサジギングにハマるキッカケとなったオオマサ15.3kg【遊漁船幸漁丸/平戸早福港】

ヒラマサジギングの魅力

今ではSNSなどのネットワークを通じて、日々大きなヒラマサの釣果が上がっています。僕が見る限りでは、割合的にキャスティングゲーム(トップウォータープラグ)での釣果が著しく、若干ジギングは影を潜めつつあるように感じます。

ジギングはおもしろくない?…いえいえ、ジギングもやっぱりおもしろいんです。

水中にジグを落とし水深、潮の流れ、地形、船長のアナウンスを頼りにジグを操作。突如として訪れるひったくるような攻撃的なバイトと暴力的な引きとスリルは、ジギングにしかない魅力だし、一度体感するとたちまち魅了されると思います。特に春(2月下旬〜5月中旬)シーズンではジギングでも大型のヒラマサが当たりやすく、皆さんがオオマサを釣る絶好のチャンスとなります。

タックル選び

続いてタックルについて。僕がよく行く海域をベースにタックルを揃えるとします。

ホームの平戸、上五島、玄界灘エリアは天然瀬の起伏の荒いポイントが多いエリア。そのため、ジギングのように比較的海底に近い所でアタックが想定される場合はPE3号~5号といった“ヘビー寄り”のタックルバランスで揃えています。また、お世話になる船長さんの指示やアドバイスでもっとライト寄りのタックルになる場合もあり、その時はPE2号、2.5号をメインに使用します。

具体的なタックルはこんな感じ

・ロッド:6.0ft〜6.5ft前後
・リール:8000番〜10000番(PまたはHどちらでも良い)
・メインライン:PE3号〜5号
・リーダー:フロロカーボン12号〜20号(3ヒロ程度)
・ジグの重さ 150g〜250g

2024年9月上旬スレンダーな魚体で強烈な引きを味わわせてくれた夏マサ9キロ【遊漁船クルーズ】博多

ジグの形状

ジグの形状は大きく分けて2つあると思っています。

ジグを正面から見たときに「①左右対称の形状」「②左右非対称」か、です。

①左右対称の形状

①の特徴は比較的引き重りが軽減され、またシャクった際に水平向きになり魚へ食わせの“間”を与えることができる。オールラウンドでクセが無く、初心者の方でも操作しやすい。

②左右非対称の形状

②の特徴は片側が膨らんでいたり凹んでいたりして、シャクった際に横へのスライドが著しいものや、直線的な動きでアングラーの操作の仕方で様々な見せ方ができるということ。場合によっては引き抵抗が生まれやすいものの、使いこなすことができれば非常に楽しいという部分もある。

ジグのカラーについて

まず大前提として言いたいのは、購入する際に直感や好みで“釣れそう”と思ったカラーを選ぶのがオススメです。理由はそっちの方が結果的に楽しいからです。自分で選んだジグやカラーで狙い通りに釣れると最高じゃないですか。

普段使ってるジグ達。上からランスシルバーホロ、ランスエッジパープルグロー、ランスピンク、スライドアクターグリーンバック

まずはシルバー系から…

カラー選びでベースになるのはシルバー系です。実際にシルバー系のジグがラインナップに多いのもその理由の1つです。晴天時、曇天時でも適度なフラッシングで海中でアピールします。

次に、ピンクバック系やブルーバック、グリーンバック系をチョイス。冬から春にかけて潮の透明度が低い場合、ピンクバック系でアピールしたり、または夏の澄み潮の時にはブルー、グリーン系の溶け込む系のカラーで誘うのもアリです。そして曇天時や、朝マズメや夕まずめの光量が多くない時間帯はグロウ系も強いと思ってます。お手持ちのスマホやライトでグロウに光をあてて落とす…なんてやり方も楽しいですよ。

これらの特徴を踏まえて自分に合ったジグを選択して、海の状況や天候などに合わせて直感でセレクトして組み立ててみてください。

2025年1月中旬 PE2.5号タックルで走らせながらキャッチしたオオマサ12キロ【遊漁船クルーズ】博多

実釣編

さぁ、あとは海へ行ってガンガンシャクってヒラマサを釣りましょう。

基本的にヒラマサジギングはワンピッチワンジャークで誘います。竿を身体の前に構えて水平状態にして竿先の方を水面方向へ上下させる。その時同時にリールのハンドルを1回転巻いていく。この動作を繰り返し誘うんですが、時にゆっくりしたり早くしたりしてアピールするのも効果的です。

船の流し方について

そして遊漁船には2種類のタイプの流し方があります。

①ドテラ流し
1つはドテラ流しジギング。僕が行くエリアの北部九州では、こちらの流し方が多いと思います。風を船の横側に受けて潮の流れる方向と風の向きを考えて流していく方法。この場合、基本的にアングラーは片舷に寄って同じ方向を向いて釣る形となります。メリットは“ジグが斜めになりやすく広範囲を攻めれる。魚をかけた後船の流される力を利用して魚にプレッシャーを与えられる”…など。また、デメリットは風や潮の流れが強すぎると、ポイントをすぐに通り過ぎる可能性があるなどです。

②バーチカルジギング
もう1つはバーチカルジギング。風に対して常に船首を向けて、船を立てて潮の流れにのってポイントへ流していく方法。この場合は両舷から釣りをする事ができます。メリットは風が強すぎたり、潮の流れが早すぎてもエンジンを切らずに船を多少調整できるためピンポイントで攻めやすいということ。一方、デメリットは潮の流れが弱すぎると釣りが成立しづらくなる可能性もあります。この釣りは、何よりヒラマサの引きをダイレクトに感じれる点が魅力的だと思います。

両方の流し方にそれぞれの良さがあり、自分に合った船宿さんを探してみるのも楽しさの1つ。ぜひあれこれチャレンジしてみてください!

仲間とダブルキャッチはサイズはともかく、喜びももちろん2倍

それぞれの流し方で活きるテクニック

基本の釣り方は変わりませんが、それぞれの流し方で有効なテクニックもあります。

例えばドテラ流しでは、水深や潮の流れをいち早く察知し、あえてジグを軽くして斜めに広範囲に攻めたり、逆に重くしたりして着底をいち早くさせて自分のジグを先にヒラマサの目に入るようにしたりするのもテクニックの1つ。また、バーチカルではジグを軽くキャストして広範囲に攻めるのも効果的です。

春の産卵期前の大型のヒラマサ。夏の産卵から回復するべく餌をものすごいスピードで追い回すヒラマサ。秋の冷たい潮と一緒に入ってくるイワシについた脂ノリノリのヒラマサ。冬の大型ベイトを捕食している超ド級のヒラマサ。年間を通してヒラマサの引きは強く度肝を抜かれます。皆さんぜひチャレンジして、歓喜に溢れたり、悔しさに突っ伏したりして、いろんな感情を体感してみてください。

Shout!(シャウト!) プロフィール

2001年に誕生したジギングタックルメーカー。 海外遠征から日本近海まで積極的にフィールドへ足を運び、あらゆるタックルを納得がいくまでテストを行いながらジギングヘビーユーザーが安心し、確信を持って使えるタックルを追求。ジグをはじめロッドやアシストフックなど、ジギングに関わるこだわりのアイテムを輩出中。
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