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平村尚也コラム【琵琶湖リサーチ】=台風12号で攪拌される南湖=「濁度」と「COD」からパターンを読む①

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湖上でチェックすると同時に、このデータを見ることで湖の状況はだいたい把握することができて、今回の台風もこの数値の中で、水温、濁度、CODの数値が変化した。
水温と濁度は湖上にいれば、目視により状況を把握できるが、CODの数値はネットでのデータ確認しか把握する方法がない。

雄琴沖観測塔のデータ。常に水温、濁度、CODはチェックすべし

COD(化学的酸素要求量)とは?

CODとは「化学的酸素要求量」であり、水中の有機物、無機物の量を測定するために使われる指標で、水中の有機物が多く水質が悪化するほど、その数値が高くなる。CODはBOD(生物化学的酸素要求量)とともに全国的な水質の目安として使われているが、測定から判定までの時間が短いことから、雄琴沖観測塔での測定結果が公表されているのだろう。
だいたい北湖で2.5ー3.5の範囲で推移しており、南湖では3.0―4.0で推移していることが多い。春先のように水温が低い時期だと3.0台を推移するが、夏場になって水質が悪化してくると4.0台を記録するようになる。

イワナの生息する目安としては1.0以下、アユの生息する目安としては3.0以下、コイが生息する目安としては5.0以下となっている。そのため、バスの生息する場所というのは、コイと同レベルの5.0以下ということになる。
近年の琵琶湖南湖のCODの濃度に注目すると、藻刈り以前は3.0台が続いたのだが、藻刈りが行われてからボトムの水が攪拌しやすくなり、濁りが広がりやすくなるとボトムから有機物が攪拌されるようになり、4.0台を超える日が多くなっている。

CODの12時間数値。数値が上がるほど有機物が増加しているので、攪拌して水質が悪化していると分かる

今回の台風12号でも通過後には4.9という数値を記録しており、30日8時現在には雄琴沖のCODは4.0まで回復してきており、次第に有機物が沈殿していることが分かる。また同時に濁度も30日22時には10・0を記録していたが、31日午前9時には8.0にまで回復しており、濁りが取れてきていることがうかがい知れる。
このように、湖上にいなくても、ある程度の状況は、この雄琴沖の観測塔の水質情報で知ることができるのだ。

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