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【完全保存版】メガバス加藤光一の「東京湾オカッパリチニング最前線2021」

寄稿:加藤 光一
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東京湾でのチヌトップの可能性

可能性は十分あります。

クロダイは地域により食性の違いがあると云われていて、東京湾奥以西のチニングのメッカとは異なり、イージーにチヌトップが成立するとは言えないのが現状です。

また、トップウォータールアーで狙うと高確率でシーバスがヒットします。(地域や生息環境での食性の違いによりトップウォーターの釣りが成立しにくいという事も有るとは思いますが、個人的には地形や狙う時期も大きな要因なのではないかと感じています)

トップウォーターの成立しやすい条件といえば、夏場の高水温で活性が高くなったチヌを酸素濃度の高いシャローエリアで狙うというのが1つのセオリーだと思います。しかし、それらの条件の揃う釣り可能なポイントが東京湾には非常に少ないのが大きな理由の1つだと考えています。

また、近年、人気が高くなってきた東京湾のチニングですが、まだまだ発展途上であり、特にチヌトップの開拓が進んでいないというのもあると思います。しかし、今期は3月下旬から季節外れとも思えるチヌトップの検証をしてきました。(ちなみにシーバスのトップゲームは2月から始めていて、気候や水質の変化によるシーバス、クロダイのトップウォータールアーへの反応を検証しています)

限られたポイント、限られたタイミングでクロダイのチェイスやバイトを複数回得られているのです。

ヒットルアーはいずれも水泡で、スローリトリーブでロッドティップを小刻みに動かして細かくドッグウォーク&首振りを連続して行うという水泡ならではの比較的アピール強目のアクションでした。

何度かランディング寸前でバラしてしまっているので、まだ今季の釣果は少ないですが、単発の偶然ではなく少ないながらも春に再現性のある反応を何度か得られていることは大きな収穫です。もう少し水温上がり安定すればチヌトップの再現度合も増えてくるのではないかと感じています。

 

チヌトップのベストシーズン

そして、これまで色々と検証した上で出た仮説が少し確信に近付いた気がしています。あくまでも現段階の個人的な仮説になりますが、おそらく『東京湾奥のチヌトップのベストシーズンは真夏ではない』のではないかと。

東京湾奥でのチニングのハイシーズンはこれまで通り梅雨時季から夏にかけてですが、トップに反応するのは水温が上がり表層の水質が悪くなる夏場ではなく、その直前の梅雨もしくは梅雨開け直後の、表層の水質と水温、ポイントとジアイといった、いくつかの条件が揃ったタイミングではないかと考えています。

その様な考察からハイシーズンではなくベストシーズンという言葉を使いました。

僕も含めて多くのアングラーが一般的にチヌトップ=真夏というイメージがあると思います。けれども、残念ながら多くのアングラーが東京湾奥のチヌトップにチャレンジしてほとんど良い成果を出せていないのが現状です。

しかしながら、その多くが真夏にしかチヌトップを行っていないこと、そして今期は既に3月後半の暖かい日が続いた水質の良いタイミングにトップで何度も反応が得られていることからこのような仮説に至った訳です。

東京湾奥の主要河川は広大な関東平野を通って東京湾に流れ込みます。河川の道中には全国的にみても猛暑日の最高気温を記録する程の地域を通過して、水温も最高潮に上昇して河口域に辿り着きます。

そんな高水温の河口域や海水域では、少しでも酸素濃度の高い中層やボトム付近にベイトだけでなくフィッシュイーターも集まりがちになるため、表層水温が下がる(酸素濃度が上がる)朝マズメ以外はボトム付近でのアプローチに反応が偏る理由と考えています。

この、水温と水質によるトップへの魚の反応は、チヌトップだけでなくシーバスのトップゲームもデイ、ナイト共に平行して行う事で、降雨や日照具合による水質や水温の変化による魚の反応を調べ傾向を探ってきました。

違う魚種とはいえ、水温や水質の変化によるルアーへの反応の違いは、参考にするべき傾向が少なくないということが多く解ってきました。

といった感じで、釣れない理由、チヌトップが成立しにくい理由をあげてみましたが、逆に考えると、その釣れない理由を消去法で考察してみるとまた一歩チヌトップ攻略のヒントが見えてくると思っています。過去にはウェーディングやボートでは、チヌトップの釣果も出ているので、状況把握とポイント次第では、陸っぱりでも十分に可能性はあると感じています。

今後も僕の東京湾奥チヌトップの検証は続きます。チヌトップでの釣果や詳細等はブログやSNSでも発信していきますので、期待していてくださいね。

 

メガバス(Megabass)

1986年8月15日設立、静岡県浜松市を拠点とするルアーメーカー。デストロイヤーをはじめとする各ロッドシリーズ、各種バス、ソルトルアー、リールなど、あらゆるフィッシングタックルを輩出。 同社のCEO伊東由樹氏はアングラー、そしてルアー、ロッドデザイナーとしても有名で、同氏の手掛けるタックル&ルアーは実釣力の高さに加え、優れた機能美、造形美を放ち、国内外で高い評価を受けている。
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