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海は違えど、やるこたあ同じ。瀬戸内で磨いた釣りを、そのまま南洋へ持っていく…の巻

連載:加来 匠レオン「ライトゲームマニア」
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2026年、新年を迎えるとインクスレーベルは10年目に入ります。

もっとも、僕自身はアニバーサリーだからといって、何か晴れがましいことをしたいタイプではありません。特別なイベントを打つつもりもなければ、記念企画を大々的にやる気もない。

レオン 加来 匠(Kaku Takumi) プロフィール

加来匠(かく たくみ) 中国&四国エリアをホームグラウンドとし、メバルやアジ、根魚全般の釣りを得意とする生粋のソルトライトリガー。レオンというのはネットでのハンドルネームとして使い始めたが、いつの間にか、ニックネームとして定着。ワインドダートやSWベイトフィネスなどを世に広めた張本人、新たなスタイルを常に模索中! 「大人の遊びを追求するフィッシングギアを提供する」ことを目的としたプライベートプロダクション「インクスレーベル」代表もつとめる。

10年前の映像

…ただ、節目というものは、間違いなくこれまでを振り返るきっかけにはなります。

そんな折、10年前に仲間たちと訪れたパラオ釣行のDVDが整理の途中で出てきました。

そして久しぶりに映像を見返してみると、当時の自分が何を考え、何を確かめたかったのかが、はっきりと保存されていましたw

僕がパラオに行こうと思い立った理由は、とても単純でした。瀬戸内でやってきたライトゲームの釣り方だけで、南の海に通用するのか。魚影が濃く、魚種も豊富なパラオで、あえて特別なことをせず、普段瀬戸内でやっている釣りを、そのまま持ち込んだらどうなるのか。それを確かめてみたかったのです。

やることやらなきゃやっぱり魚は釣れない

パラオの釣りと聞くと、「誰が行っても、何を投げても釣れる」そんなイメージを持つ人も多いと思います。確かに、魚は多い。反応も多い。でも、釣りたい魚に合わせて適切なメソッドを講じないと、狙った魚は釣れません。

魚釣りというのは実に不思議なもので、御影が濃ければ簡単なようでも、必ず難しい側面も顔を覗かせます。パラオだろうが、アマゾンだろうが、瀬戸内だろうが、それは変わりません。釣れない時は、ちゃんと釣れない笑

この映像の中でも、その様子はしっかり映っています。魚が多い場所だからこそ、ルアーの通し方、レンジの選び方、誘いの入れ方が、よりはっきりと釣果や釣れる魚種として結果に表れる。そんな様子を見ていただければ幸いです。

魚は違えど、やっていることはいつもと同じ

特に見てほしいのは、オカッパリでの釣りです。

冒頭から比較的小型のルアーを使い、水面を引き、沈め、ボトムを取り、巻いたり、巻かなかったり、チョンチョンと誘ったり、ガーッと速く巻いたり。やっていることは、すべて瀬戸内で普段やっていることと何も変わりません。特別なメソッドも、秘密のテクニックもありません。違うのは、釣れる魚だけです。瀬戸内なら、アジ、メバル、カサゴ、チヌ、キジハタ、マダイ、シーバス。パラオでは、それが南の魚に変わるだけ。

この映像の中で行っている、ルアーチョイスやひとつひとつの操作は、そのまま国内外どこでも応用できるものばかりです。30年近く前、3年間滞在した北米赴任時にも、海でも川でもリザーバーでもほとんど僕の瀬戸内スタイルで通し、現地アングラーを大いに驚かせました。それほど日本のライトゲーム概念による釣りは強いのです。

だからこそ、あの釣行は僕にとって「海外遠征」ではなく、“釣りの基本形を再確認する時間”だったのだと思います。

同じ場所を見つめてきたということ

今回、残っていたDVDを一度取り込み、AI処理をかけて画質を整えました。

それを5分割し、クリスマス明けあたりから、前編117分の動画ですが、それを、その1、その2、その3、その4、その5と5分割にして、YouTubeチャンネル「インクスTV」にて順次公開していく予定です。

10年前の映像ですが、映っている釣りは、今の自分とほとんど変わっていません。それが良いのか悪いのかは分かりませんが、少なくとも、僕はずっと同じ場所を見つめてきたのだと思います。

一年の終わり、年の変わり目、少し時間が緩む頃に気晴らしに眺めてもらい、何かのヒントにしていただければと。それが、今の僕なりの、インクス設立10周年に際してのささやかなご挨拶です。

 

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