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【VERSART FABER】“キャストパフォーマンスの良いロッドを求めて”ゲストと共に作り上げた「VFC-65MLS」の開発秘話/藤波和成

寄稿:藤波 和成
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琵琶湖のバス釣り入門

皆さんこんにちは。

ピュア・フィッシング・ジャパン プロチーム琵琶湖ガイドの“藤波和成”です。

2026年春に、アブ・ガルシアから待望のデビューを飾るNEWロッドシリーズ「VERSART FABER(ベルサート ファベル)」。

僕と“国保 誠”プロ、“山崎誠”プロの3名が開発に携わり、試行錯誤を繰り返しながら長期に渡ってテストを行ってきた中、初めにリリースとなるのが“国保 誠”プロの「VFC-74MH」と、僕が監修する「VFC-65MLS」と「VFC-67MHS」の計3機種。

その中から、今回は「VFC-65MLS」について詳しく詳細をお伝えさせていただきたいと思います。もう1つの「VFC-67MHS」と、国保プロ監修の「VFC-74MH」に関しても、後日記事が公開となりますので、そちらもぜひご覧になってみてください。

藤波 和成(Kazushige Fujinami) プロフィール

愛知県出身・1972年生まれ。バスフィッシング歴40年以上の、琵琶湖・北湖全域をメインエリアとして活動するバスフィッシングガイド。長良川におけるバスフィッシングの第一人者としても知られ、数々のトーナメントで優勝経験を持つ実力派。日本で初めて“フリーリグ”をガイドメニューに導入したパイオニアでもある。 豊富な経験から導き出される独自理論で確かな結果を生み出しながら、現在も多くのゲストを日々ガイドしている。

「VERSART FABER」(VFC-65MLS)【アブ・ガルシア】

VFC-65MLS」は 1/2oz程度までのルアーのキャストパフォーマンス(狙ったスポットへ低い弾道でルアーを届ける)性能と、ノーシンカー~5g程度までのウエイトのボトム展開へのアドバンテージに拘り、琵琶湖だけじゃなく、どんなタイプのフィールドでもそれぞれのメリットを実感出来ることを目指して開発を進めました。

その開発は「VFC-67MHS」と同様に、2018年“フリーリグ”(軽め)のスペシャリティとしてプロジェクトがスタートし、紆余曲折有りながらも一旦は完成しましたが、時代的にコロナ禍もあり、発売は見送られた経緯があります。そんな中、当時の担当者が「このロッドはいつか必ず必要になる」と、水面下でこのプロジェクトを止めること無く協力してくれたお陰で、今のカタチになった気がします。

云わばそこからの時間がこのロッドを育てた感じです。

開発秘話:第2次開発スタート

キャストパフォーマンスに優れたロッドを求めて

軽めの“フリーリグ”ロッドとして一旦は仕上がったロッド。

ですが、現在このロッドの特筆すべき点は“キャストパフォーマンス”だと確信しています。それは狙ったスポットにルアーを低い弾道で届ける性能と言うべきで、個人的にはこのロッドを使うとキャストが上手くなった感覚すら実感出来ると思います。

そのキッカケは日々“フィッシングガイド”で、沢山の方々とフィールドを共有している訳ですが、キャスト(特にカバー際へのフリップやショートピッチ)への不安やストレスを感じられている方が非常に多く、正直それが理由で、カバー際に釣れる状態があったとしても、手が出せず、やむを得ず沖のウイード展開へ移行する事もありました。

そんなキャストに不安を抱える方の殆どは、タックル面でのミスマッチ的なエラーですが、多くの方がキャストというとリールにその性能を求めガチで、ロッドに関しては適合ウエイトを合わせる程度というケースも少なくない気がします。

「何とかその誤解を解きつつ、狙ったスポットを狙っていける…いや、狙うことが楽しくなるロッド…キャストに不安を抱える方のサポートが出来るロッドを作れないか?」。

そんな思いと、実際ガイドに参加してくれる沢山の方からのリクエストを受けたことがこのロッドの第2次開発のスタートでした。

開発秘話/理屈や経験では決めかねる

ゲストの意見を沢山受けて微調整の繰り返し

一旦は完成しているロッドに備わった軽めのフリーリグへのメリットを残しつつ、遠投だけでなく、狙ったスポットに低い弾道でルアーをスムーズに届けられるロッド…。

以降の開発は、理屈や経験では到底進まず、一緒にフィールドを共有してくれた皆さんにもプロトを実際に使ってもらい、忖度の無い意見を受けては微調整の時代でした。

特にレングスは6.3~6.8ftまで0.1ft刻みで全てサンプルを作り、どんなキャストにも対応するレングスを実釣の中で探って6.5ftに決定しています。

とは言いながらも、実際使っていただく皆さんと一緒に完成を目指した時間は、かつてない程画期的で、僕にとっても凄く有意義な時間でした。

開発秘話:完成を確信した時

「キャストが上手くなった気がする」というゲストの声

その時間の終わり…つまりこのロッドの完成を感じたのは、“ガイド”中に使っていただいた方の殆どが「キャストが上手くなった気がする」という感想に変わったこと。

誤解を恐れず言えば、たとえ釣れなくても“バスフィッシング”の楽しさの一端を手にした感覚があったことです。

ちなみに「キャストが上手くなった気がする」その共通の感覚の先にある皆さんの使い方は様々で、例えば琵琶湖の場合「トップウォーターに良いね」、「ジャークベイトに使いたい」とか、霞水系では「3.5gの軽めのラバージグ、ネコリグ、カバー撃ちにイイね」、関西リザーバーでは「フリーリグのフォールのバイトが取りやすいよ」など… 本当に使い方は無限と思うほどですが、どのフィールドでも、皆さんの声で共通しているのは「それでもバーサタイルな感じはしない」という意見でした。

これこそ当時から担当者と僕が拘った比較的シャープなソリッドティップを採用した意味で、軽めのルアーを操作するティップとは別に、ある程度許容範囲内でウエイトのあるモノをキャスト、アクションする際はティップからベリーへのスムーズな曲がりがなせる“使用感での2面性”という個性で、この感覚のロッドは沢山の実釣からしか絶対に辿り着かないと確信してます。

子供の頃から約40年以上、バスフィッシングと向き合ってきた僕の個人的な理想はバスフィッシングは狙ったスポットへ、ルアーをキャストすることから始まる遊びであり、スポーツであって欲しい、これからもずっと。

そんな理想を持つ僕の、僕らの“経験のカタチ”をぜひ体感してみてください。

公式Instagramアカウント「versart__faber 」もぜひチェック!

VERSART FABER公式Instagramアカウントはこちら

ピュア・フィッシング・ジャパン(PURE FISHING JAPAN)

アブ・ガルシア、バークレイをはじめ、ペン、サベージギア、プラノ、ハーディなど世界的に有名な各ルアーブランドの企画・製造・販売を行っている総合ルアーメーカー。取扱っているアイテムはリール、ロッド、ルアー、アパレルほか多岐に渡る。
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