ルアーフィッシングのトピックをこまめにお届けする釣りの総合ニュースサイト

LureNews.TV YouTube Channel

【VERSART FABER】ウイードの当たり位置を鮮明に察知でき、安定したリトリーブを実現する「VFC-74MH」の開発秘話/国保 誠

寄稿:国保 誠
  • X
  • Facebook
  • Line
  • はてなブックマーク

皆さんこんにちは。

ピュア・フィッシング・ジャパン プロチーム琵琶湖ガイドの“国保 誠”です。

2026年春、アブ・ガルシアよりリリースとなるNEWシリーズのロッド「VERSART FABER(ベルサート ファベル)」。

先行して“藤波和成”プロが監修した「VFC-65MLS」、「VFC-67MHS」の2モデルと、僕が開発に携わらせていただいた「VFC-74MH」の計3機種が発売されます。

藤波プロ監修機種の記事は既に公開中ですので、ぜひそちらをご覧になってみてください。今回は僕の監修機種「VFC-74MH」について詳しく解説させていただきます。

国保 誠(MAKOTO KOKUBO) プロフィール

巻く、撃つ、落とす、ハードベイトスタイルとジグ&TXスタイルをこよなく愛する元祖・イケメンデカバス琵琶湖プロガイド。多くのルアーやロッドなどの開発&製作にも携わっている。 ( 1976年生まれ、愛知県出身、滋賀県在住

「VERSART FABER」(VFC-74MH)【アブ・ガルシア】

VFC-74MH」は春のスイムジグゲームに特化したモデルとして、開発を進めたスイムジグロッドになっています。

※画像はプロトモデルになります

開発秘話:ブランクス

ウイードの当たり位置を察知できるロッド

春の琵琶湖・南湖を中心としたウイードエリアで行うスイムジグゲーム、スイムジグをウイードにコンタクトさせ、ウイードからスイムジグを抜いて食わせるキッカケを作るため、レンジコントロールのテクニックが非常に重要になってきます。

このレンジコントロールでは、タダ巻きでウイードに当て続けるのではなく、ウイードの少し上を泳いでいたスイムジグが、少し高さのあるウイードのトップにコンタクトして、キレイにウイードから抜けると、追尾してきたバスがバイトするといった感じで、ウイードのどの高さにコンタクトさせているかということまで分かるロッドを使用することで、より多くのバイトチャンスを作ることができ、釣果へと繋がっていきます。

VFC-74MH」はその“ウイードのタッチ感が分かりやすいスイムジグロッド”として開発をスタートしました。開発当初、「VERSART 」シリーズのブランクスに採用されている“TAF製法”を使用したブランクスで、多くのサンプルを作成しました。

トライ&エラーを繰り返す中、フリーリグやパンチショットなどのボトムゲームでは、非常に良い結果を得られていた“TAF製法”。ただ、軽くてシャープになる“TAF製法”ではどうしてもウイードのタッチ感が消えてしまい、スイムジグがウイードトップにタッチする“ホワッ”っとする感覚が捉えられず、タッチ感が強く出るトップより、少し下のレンジにウイードが当たった感覚しか捉えられなくなり、結果的にウイードをキレイに抜いてくることができず、ノー感じな使いにくいロッドになってしまいました。

適度なダルさを出すことでウイードへのタッチ感がUP

このようにウイードエリアのスイムジグロッドにおいて、ブランクスの軽さや、シャープさがウイードのタッチ感が消えるというデメリットになっていたため、カーボンシートの弾性率やレジン量の変更や巻き方など、数多くのパターンのプロトを作成。

そんな中、“TAF製法”の“CPCブランクス”の横方向に使用しているカーボンシートを、グラスマテリアルにする従来のカーボンロッドの製法にして“適度なダルさを出すことで”、リトリーブ中のスイムジグがウイードのどのレンジにタッチしているか、どんな種類のウイードなのかなど…多くの情報を捉えてレンジコントロールすることが可能に。

TAF製法の良いトコロはそのままに

従来の“TAF製法”との変更点は、横方向のシートをカーボンからグラスマテリアルへ変更。なので、“DPH構造”や“OCPD”など…ブランクスの捻れの減少、トルクアップとなる技術はそのまま採用。“TAF製法”の良いトコロを残したブランクスに完成。

開発秘話:グリップ

リトリーブ中の安定感を追求

ブランクスと共に重要なのがグリップの長さ。

スイムジグはウイードのタッチ感が弱く、ノー感じになりガチな釣りなので、リトリーブ中にティップが上下にブレたりとロッドが安定しない姿勢で巻いていると、ウイードにタッチした時に出る僅かな変化を捉えられなくなってしまうので、グリップエンドを脇に挟むことができるぐらいの長さが必要になってきます。

通常のジグや、テキサスリグなどに使用しているロッドを流用する場合グリップの長さが短かったりする場合が多く、リトリーブ時にグリップエンドを挟むことができずにウイードのタッチ感を捉えにくい状態でリトリーブしていてレンジコントロールが上手くできなかったりするので、グリップの長さも非常に重要になってくるのです。

開発秘話:ガイドセッティング

あの名機の良さをそのままに…

ガイドセッティングに関しても、今回再度見直すために様々なパターンを試しましたが、やはり「エックスグレイブ75H TORQUE FLEX」で採用していた、ガイドセッティングが最も飛距離とブランクスパワーを活かすことができるセッティングであったことから、トルクフレックスと同じセッティングになっています。

タックルセッティング

タックルは「VFC-74MH」に一回転あたり56cmの巻き取り量と「REVO5」シリーズでも最も巻き取り量の少ない「REVO5 X-Winch」に「バニッシュ・レボリューション」( 16Lb)に「スイミングマスター」(3/8oz/ 1/2oz/ 5/8oz)を使用。

製品名 自重(g) ギア比 スプール径(mm)/幅(mm) ハンドル長(mm) 最大ライン巻取(cm) 最大ドラグ力(kg) ラインキャパシティ/0.33mm/16lb ラインキャパシティ/0.37mm/20lb PE3号 ボール/ローラーベアリング メーカー希望本体価格(税抜)
REVO5 X-Winch 204 5.4:1 33/22 90 56 9.1 100 75 100 7/1 ¥16,000
REVO5 X-Winch-L 204 5.4:1 33/22 90 56 9.1 100 75 100 7/1 ¥16,000

アブ・ガルシア公式「REVO5 X-Winch」詳細ページはこちら

このタックルが南湖のウイードエリアでフルキャストしてロッドとラインを真っすぐにしてスイムジグを巻いていき、ウイードにタッチしたらリトリーブで巻いてウイードから抜くを繰り返して食わせるストレートリトリーブのスイムジグに、ベストなセッティングでオススメです。

スイムジグゲームをより快適にこなすことができるロッドを追求してスイムジグ特化型ロッドとして完成した「VFC-74MH」は来春発売予定になっています。

スイムジグゲームシーズンにぜひ、ウイードタッチ感の把握性能が高い「VFC-74MH」で、ナイスな1本をキャッチしてみてください。

公式Instagramアカウント「versart__faber 」もぜひチェック!

VERSART FABER公式Instagramアカウントはこちら

ピュア・フィッシング・ジャパン(PURE FISHING JAPAN)

アブ・ガルシア、バークレイをはじめ、ペン、サベージギア、プラノ、ハーディなど世界的に有名な各ルアーブランドの企画・製造・販売を行っている総合ルアーメーカー。取扱っているアイテムはリール、ロッド、ルアー、アパレルほか多岐に渡る。

 

釣りの総合ニュースサイト「LureNewsR(ルアーニュース アール)」