今江克隆のルアーニュースクラブR「新リグ『加トケンリグ』登場!霞ヶ浦プリプラ報告と注目の新作『毛モノ』『エラストマー』ルアーの実力」 第1258回
連続10日間におよぶ霞ヶ浦全域でのプリプラを終えて帰阪したが、今回の霞ヶ浦のJBエリアの厳しさは過去最難関と言っても過言ではないほどだった。
10日間の連続釣行は毎度さまざまなプロト製品の継続的実戦テストにはいろいろ試せるので最適なのだが、こうも1匹のバスを手にするのが厳しいと、正確なテスト結果が得られないのが本当に悩みである。
今回の10日間では、昨年の霞ヶ浦戦、北浦戦、オールスター戦と3タコ継続中のため、徹底して確実に1匹を釣る練習にほとんどの時間を割いたが、結果的にメインになりそうなルアーはほぼ決まったが、派手にやっても地味にやっても1匹の難しさは全く変わらないことだけがわかった苦しい練習だったといえるかもしれない。

毎日確実に1尾を釣ることをテーマに10日間の練習をしたが、攻めても攻めきれず、守って守り切れない、何ひとつ確実なことはつかめない厳しい練習になった。
生分解性樹脂で試作した「鬼ヴィラル」
さて、練習内容には触れられないので、2025年もあと2ヶ月あまりとなった今週は現時点で2025年下半期にほぼデビューが決まりそうなイマカツ期待の新作ルアーたちの実戦テスト状況を報告しよう。
まず今回の霞ヶ浦の練習では、JB本部から依頼されて試作した「生分解性樹脂で試作した『鬼ヴィラル』」の実戦テストを長期連用で実行していた。
自分は41歳まで商社で樹脂原料部隊に17年間在籍した経験から生分解樹脂についても業界一詳しい。
かつては東レと組んで「フィールドメイト」と名付けた生分解ラインやワームにもチャレンジしてきた。
その経験からも生分解性樹脂の扱いの難しさ、実戦性の低さは誰よりも理解しているが、あれから20年近い歳月は生分解樹脂を相当なレベルまで進化させていた。
まだまだ解決しなければならない問題は10日間でよくよく理解したが、その成型性、強度に関しては「よくぞここまで頑張った」と唸らされるものがあった。

JB/NBCが研究している生分解性樹脂の進歩には正直、驚かされた。価格面を無視すれば実戦レベルに到達する日はそう遠くはないかもしれない。事実、この生分解性「鬼ヴィラル」も透明ABSとの見分けがつかないほどだ。
今回は「鬼ヴィラル」で釣れるような状況ではなかったので、バスを実際に釣ることはできなかったが、かつ箸にも棒にもかからないレベルの樹脂を無理やり使うという感覚はなく、ひょっとすると近い将来、生分解性ボディのプラグはABSとほぼ同レベルになるのではないか?という希望が見えた気がした。
もしバス業界からこの世界に先駆けた試みが実戦レベルで実現した場合、バスフィッシングの環境に対するネガティブなイメージも大幅に軽減され、社会貢献として大きく取り上げられるのではないかと思う。
まだ今すぐにというレベルではないが、もしかすると数年内にありうるな…と思わされる価値あるテストだった。

秋の七色ダムでも「鬼ヴィラル」は有効だ。安藤プロが使用しているのは透明ABSの「鬼ヴィラル」。ブラックデビルは黒くても見やすいのでブラックレイブンに並ぶ人気カラーだ。

池原ダムの巨匠、黒崎プロには似合ってないが、紀の川では「鬼ヴィラル」は今が旬のようだ。こちらも通常の透明ABS製。そのうちダマテンで生分解性鬼ビラルを送ってみようと思う。
クジャラ110
次に今回の練習で印象的だったのは、桧原湖スモール戦ではスモールは毛モノ嫌いなのか?と思わされるくらい期待を裏切られた「毛モノ」が、やはりラージのフィールド、霞ヶ浦水系では今や強力なビッグフィッシュベイトになっているという現実だ。
決して数が釣れるわけではないが、自分も「クジャラ」を超メインに練習をした結果、喰えば2kg絡みのビッグフィッシュ率が高く、相当な時間を毛モノのテストに費やしたと言っても過言ではなかった。
ただ、ぶっちゃけ霞水系では1/4カットの「クジャラ」ですらTOP50レベルのプレッシャー下では「強すぎる」のではないかと感じたのがホンネだった。
今回はまだ詳しくは書けないが、練習後半から試しだした「クジャラ110」(この秋発売予定)のある使い方が霞水系ではベストなのではないかと感じ始めた。
霞ヶ浦のバスの神経質さは今江的には日本屈指で、その理由が毎週のように大型トーナメントが開催されているためか、マッディゆえのバスの性格なのかはいまいちわからない。
自分が感じたのは霞ヶ浦のバスは喰っているベイトのサイズや動きに異様なほど敏感かつ神経質に反応するという事実だ。
本来は逆に思うのだが、極マッディな霞ヶ浦のバスは強波動、わざとらしい動き、カタチを異様に警戒するように思う。

霞水系でも毛モノワームは大流行中。しかし、リザーバーのそれとはかなり使い方、使いどころが霞ヶ浦ではかなり違っている。
ちなみに「クジャラ110」は、自分が関西リザーバーで使用した経験では絶対的に「モリケンリグ」より丸ごとづけの通称「髭ワッキー」こと新リグ「加トケンリグ」が一番釣れる。
加トケンリグとは、大昔、昭和世代の人なら誰でも絶対知っているドリフの加藤茶と志村ケンの「髭ダンス」を心にイメージしながら動かすリグである(笑)。

まもなく市場デビューする「クジャラ110」のオススメリグは絶対に「加トケンリグ」。加トケンリグは動かすときのイメージが重要。古いYouTubeで勉強しよう。

左が「クジャラ(160)」1/4カットのモリケンリグ。右が「クジャラ110」の「髭ワッキー」こと、「加トケンリグ」だ。

髭ワッキーに使うリグは人それぞれだが、髭ダンスをイメージして使うことに変わりはない。藤川温大プロは小野湖のプリプラで3kgオーバーを髭ワッキーで釣ったそうだ(携帯を車に忘れて撮影できず…)
「クジャラ110」は1/2や1/4カットでももちろん釣れるのだが、髭ワッキーでの威力が「水面」でも「ボトム」でも「中層」でも最強だと思う。
特に「着水音」が甘くて最高なのか、水面は「クジャラ160」より断然ヤバい。
「クジャラ160」は1/4カットのモリケンリグ系3.5~5gが最強だが、「クジャラ110」は同様にダウンサイズするのではなく「丸ごと」をうまく工夫して160とは全く違った動きと波動で演出することが、その独自性を発揮させるキモだと思う。
今江的には「クジャラ160」のモリケンリグはベイトボールかカニと思って喰ってくるのに対し、髭ワッキー(加トケンリグ)は、水面ではセミイメージだが、水中、特にボトムではデカバスが謎のテリトリー侵入者と認識し怒って襲ってくるイメージがある。

「クジャラ160」、「クジャラ110」ともに完璧に使いこなしデカバスを大量水揚げしているテラコバサー。少々同じような写真は見飽きたので、今度は黒い110を鼻下に挟んでネタ作りにも励んでほしい。

「クジャラ110」は「加トケンリグ」がオススメだが、もちろん160同様の1/4カットモリケンリグもタフった状況下では有効な手段である。
似て非なるもの、110は160とは別物として使い分けることで、唯一無二の威力を発揮することを頭に入れておいてほしい。

「クジャラ110」の髭ワッキーこと「加トケンリグ」は、ビッグフィッシュ率が強烈に高い。160より小さい110だが実質は160よりパワフルかもしれない。
さらに続く、注目の毛モノ、エラストマールアー!