今江克隆のルアーニュースクラブR「螺旋中毒患者増殖中!?スパイラルガイド定番化時代がもう目の前に」 第1257回
今週はTOP50最終戦のプリプラで霞ヶ浦に滞在中。

さらにデスレイクっぷりを増した秋の霞ヶ浦本湖JBエリア。毎日1尾のバスを触る練習に徹しているが、それが恐ろしく難しい。今回もMaxセントは救世主になりそうだ。

デスレイクを遥かに超えてヘルレイクとまで言われ始めた霞ヶ浦本湖での練習もはや終盤。ヘトヘトになっているが毎日帰路の夕焼けだけは感動的に美しい。
今年もいよいよTOP50最終戦を迎えるシーズン終盤になったが、今シーズン、今江的に最も熱心に研究と試作を繰り返していたロッドがある。
それはまだノーネームだが、スパイラルガイドの強化ベイトフィネス・ライブサイト用ソリッドティップロッドである。

今年の春から、もはや別名「クジャラロッド」と呼ぶほどクジャラのスト系、撃ち系、ズル引き系にスパイラルロッドは欠かせない存在になっている。霞ヶ浦でも今や「スーパーレイブン」と並ぶメイン中のメインロッドだ。
スパイラルガイド採用のフィネスロッドという挑戦
自分は古くから「テムジン・クオッドツイスター」や「クオッドライト」といった、スパイラルガイド採用のフィネスロッドを世に問うてきたが、一部熱狂的支持者はいたものの正直まだその当時はキワモノ扱いされ市民権を得るには至らなかった。
だが、今江的にスパイラルガイドの突出したメリットの数々は、今に至るまで諦めきれる性能ではなかった。
そして今年2月、ガイドの進化とブランクス素材の深化、さらに「技徳グリップ」の採用という大きなプラス面を活かし、再びチャレンジャーとして「ヴェロキラプター」と名付けた新型スパイラルガイドロッドを10年ぶりにデビューさせた。
このロッドはスピニングロッドのようなスラックのラインの卓越した操作性と、曲がらない高剛性ハードバットのセクションで一気に180度ガイドを真下方向に回してしまうことで、曲がる部分のガイドが一切嗤わない唯一無二の性能を実現した、たぶん世界初のベイトフィネス&スト系アクションロッドである。

目をつむって投げれば、スパイラルとノーマルのキャストフィーリングの差はまずわからないほどだ。しかし、操作性は間違いなくガイドが上にあるノーマルベイトロッドとは一線を画す。
ぶっちゃけ、この一見奇怪なロッドは人気機種として「売れる」と思って作ってはおらず、純粋に自分が欲しかった、自分の体力膂力で軽快かつ長時間スト系アクションを続けられるから必要に駆られ、エバーグリーンに無理を言って製品化したというのがホンネである。
実際、1月のフィッシングショー時の受注状況は他の機種と比較すると最も悪かった。
人気機種の1/3程度の受注状況だったが、最初から生産を抑えていたので、それも仕方ないと思っていた。
ところが…
ところが、だ。
いざ市場に出てみると意外なことに店頭での売れ行きが予想に反して早く、生産数量が少ないゆえに逆にEGに問い合わせが増えるという奇妙な現象が起こった。
中には「ヴェロキラプター中毒患者続出」という言葉もSNSで散見され始めた。
その多くはロッドが一切嗤わない、フッキング時のパワーロスが圧倒的に少ない、さらに「バスが手前で全然暴れない、飛ばない」といった明らかな性能差を感じられるところからきている。
ちなみにスリークォーター~サイドキャスト、ピッチングでの投げやすさ、飛距離、精度はノーマルガイド以上である。
飛距離でスパイラルがノーマルガイドに明確に落ちるということはほぼないに等しい。

スパイラルガイドは飛距離が落ちるのでは?と思い込まれがちだが、放出時も真っすぐきれいにラインが伸びており、実戦で気になるほど飛距離が落ちると感じたことは全くない。
ちょっと意外だったのだが、時代が変わり上級者が圧倒的に増えた現在、昔と違ってスパイラルガイドのメリットを実感的かつ論理的に理解するアングラーが格段に増えてきていることに気がついた。
見た目のキテレツさより、実戦での明らかな違いを感じ取れるアングラーが圧倒的に増えたことは大昔からスパイラルのメリットを説いてきた自分にとっては選手冥利に尽きる出来事でもあった。

スパイラルガイドの最大のメリットの一つが、スト系のアクションでスラックラインをスピニングロッドのような感覚で出せることにある。
2026年はスパイラルガイド定番化元年になる
そして、ついにこの夏、某メジャーバスメーカー(動物の名前!?)の超強豪若手プロ(兄弟!?)が、スパイラルガイドのベイトフィネスロッドを世に問うてきたことには感動した。
今まで、さすがに怖すぎて一流メーカーほどスパイラルのバスロッドには手を出してこなかったが、ついにスパイラルガイドの明らかに違う性能に今のバスプロたちはすでに気づいて実戦投入しはじめている証明である。
おそらく2026年はある種のリールと共に、スパイラルガイド定番化元年になるとここで予言しておこう。
スパイラルガイドの最適化が簡単ではない理由