ハイパーソリッドカーボンの新展開
スミスでは2000年代からフルソリッドカーボンブランクのジギングロッドを販売してきた。近年のヒット作と言えばスーパーライトジギングロッドの代名詞ともいえる「オフショアスティックHSJスーパーライトシリーズ」がその筆頭に挙げられるだろう。

△オフショアスティック HSJスーパーライトシリーズ。今でもスーパーライトジギングシーンを牽引する1本だ
ハイパーソリッドカーボンブランクの持ち味は何といってもその粘りと言えるだろう。想定外の大物がヒットした際にも、フルベンドで曲がり切った状態からもさらに粘り、最終的には獲物を浮かせてきてしまう。この安心感がスーパーライトジギングでは大いに支持されてきた。
一方、スミスではハイパーソリッドカーボンブランクを用いて新たなジギングロッドの開発を進めていた。こちらはスーパーライトジギング用モデルではなく、ドテラ流しの釣りに対応するものだった。
ドテラ流しのジギングに対応
ドテラ流し(潮や風といった自然の流れに船を任せて流すこと)の場合はほぼ真下方向にフォールさせる釣りとは異なり、斜め方向にジグを操作することになる。その分、水深以上にラインも長く出ている状態となる。そのような状況下における操作性と実釣性能を重視したモデルが、スミスの新製品『オフショアスティックHSJ ベベルジャーク』シリーズだ。

HSJベベルジャークシリーズは複数機種の開発が進んでいるそうだが、その先陣を切ってトンジギを始めとしたマグロジギング用のロッド・HSJ-BES61H-5が12月に発売となった。今シーズンのトンジギにおいて要注目の1本と言えるだろう。
HSJ-BES61H-5を使ったトンジギの省エネジャーク
ここで実際にHSJ-BES61H-5を使った映像をご覧いただきたい。アングラーはスミスフィールドスタッフの中村豪さん。300~500gといった重量級のジグを用いるトンジギにおいて、如何に疲労感を軽減しつつ長時間の連続ジャークをこなしていくかの参考になる内容だ。ここでは5パターンの操作方法を紹介している。
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無風・潮なしのバーティカルで一番しゃくるのがきついパターン
ムラマサ3S:300g使用
ロッドは脇抱えの下向けで、ロッドの穂先を上に持ち上げるとつらいから、ロッドを縦に引っ張り上げるイメージ
同時にハンドルも持ち上げると楽
ロッドの弾性を使うのではなく、リールの巻き上げパワーを直接ジグに伝えるイメージ
数回毎に勢いよく動かして、大きく飛ばしジグがドスンと重みが乗るまでフリーフォール
微風で少し斜めパターン
ムラマサ3S・TS:350g使用
バットを股関節に当ててのジャーク
腕の力でジャークするのではなく、体の回転でジグを持ち上げるイメージ
バットを股関節で固定することによりテコの原理になり、引っ張り上げる力は少なくて済む
腕はあくまでも補助的に動くイメージでジャークすると超楽
強風もしくは何度か上げ下げしてかなり斜めパターン
ムラマサ3S・TS:400g使用
バットを股関節に当てて座ったままでのジャーク
座っている椅子?にバットを当ててもよい
斜めの時はロッドを立てられるので、水平に持ち上げるより、はるかに力は必要なくなる
体をのけぞる力も少し利用すると超楽
状況はPart:3に同じ
ロッド脇抱えでのハンドル側に引くジャーク
ハンドル側にスペースが空いているときに可能
腕の力でジャークするのではなく、体の回転とハンドルを引っ張ってジグを持ち上げるイメージ
ロッドを支える腕はあくまでも補助的に動くイメージでジャークすると超楽
状況はPart:3に同じ
ロッド脇抱えでのロッド側に引くジャーク
ロッド側にスペースが空いているときに可能
腕を回転側の外側に引っ張ると上腕三頭筋がしんどい。体の回転に加え、同時にロッドを手前に引くようにすると超楽
ロッドにジグの重量を乗せるだけの小刻みなジャーク数回に、1回大きくジャークしてフリーフォールを入れるように心がけている
オフショアスティック HSJベベルジャーク【HSJ-BES61H-5】

全長:6.1ft(184.5cm)フル1ピースモデル
自重:246g
適合ジグウェイト:180~500g(AVE400g)
適合ライン:~5PE(AVE4PE)
グリップ長:695mm
ドラッグMAX:20kg/45°
ティップ径:2.7mm
対象魚:トンボ、キハダ、クロマグロ
ガイド:MNトップ+KWガイド+逆付けMNガイド
標準小売価格:¥ 56,000+税
スピニングタックル特有のロッドを立ててのファイトスタイルに最適化された24トンハイパーソリッドカーボン採用。特にマグロ類をターゲットとした使用において真価を発揮するモデルです。アクションはモデレート。ターゲットは、トンボ・キハダ・クロマグロとし、大型魚がヒットしても安定した粘りでしっかり踏ん張れ、安心したファイトを継続可能。さらに、ソリッド特有の重厚感を感じさせないバランス設計により、扱いやすさとパワーを高次元で両立しています。

ドテラ流しをする場面の多い遊漁船に乗ることが多いアングラーには要注目のオフショアスティックHSJベベルジャークシリーズ。今後の追加ラインナップにも期待が持てそうだ。
スミス公式「HSJベベルジャーク」詳細ページはこちら
12月より発売開始済。まずは店頭でその出来栄えを確認して欲しい。
























































