
テンリュウが送り出す近海ジギング専用ロッド、「ジグザム ドラッグフォース」。
ジグザム ドラッグフォースのコンセプトは「特化×進化」。
進化という面では、現行モデルは2013年のドラッグフォースから実に10年ぶりのモデルチェンジを果たし、現在のジギングシーンにアジャストしたラインナップを誇る全6機種(スピニング4機種・ベイト2機種)。
そして特化。同シリーズは、海域やターゲットごとに求められる操作性やパワーを緻密に追求。ジギングにおける多様な戦略へ応えるために生まれたモデルである。

ジグザムドラッグフォース

| 品名 | タイプ | 全長 ( m [ft]) |
継数 (本) |
調子 | 仕舞寸法 (cm) |
ルアーウェイト (g) |
ライン (PE/号) |
最大ドラグ (kg) |
リアグリップ (mm) |
先径 (mm) |
自重 (g) |
使用繊維 カーボン/グラス (%) |
本体価格 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| JDF631S-2/3 | S | 1.90[6’3″] | 1 | R | 190 | 100-180 (Best100-120) | MAX PE 4.0 | 5/0° | 495 | 2.0 | 189 | 87/13 | ¥57,000 |
| JDF621S-3/4 | S | 1.88[6’2″] | 1 | RF | 188 | 120-200 (Best120-150) | MAX PE 4.0 | 7/0° | 495 | 2.1 | 198 | 87/13 | ¥57,500 |
| JDF611S-4/5 | S | 1.86[6’1″] | 1 | RF | 186 | 120-230 (Best150-180) | MAX PE 4.0 | 8/0° | 495 | 2.3 | 206 | 87/13 | ¥59,000 |
| JDF601S-5/6 | S | 1.83[6’0″] | 1 | RF | 183 | 150-250 (Best180-200) | MAX PE 5.0 | 10/0° | 495 | 2.5 | 213 | 87/13 | ¥59,500 |
| JDF591B-G5/6 | B | 1.75[5’9″] | 1 | RF | 175 | MAX350 (Best150-300) | MAX PE 5.0 | 10/0° | 420 | 2.2 | 240 | 12/88 | ¥57,500 |
| JDF591B-G7/8 | B | 1.75[5’9″] | 1 | RF | 175 | MAX500 (Best250-400) | MAX PE 6.0 | 12/0° | 420 | 2.5 | 258 | 10/90 | ¥58,500 |
テンリュウ公式「ジグザムドラッグフォース」詳細ページはこちら
進化と特化

近海ジギングには、浅場でのスイミングジャーク、広範囲を探る斜め引き、あるいは急流下でのバーチカルというように、状況によって求められるアプローチが大きく異なる。もちろんフィールドごとのクセもある。「ジグザム ドラッグフォース」は、そうしたシーンごとの要求を拾い上げ、特化型ロッドとして進化させた点が大きな特徴だ。

シリーズ共通の設計思想として、まずブランクの素材選定とアクションが挙げられる。モデルごとに狙う水深やジグウェイトを想定し、最適な調子とパワーを設定。
例えばだが、千葉外房エリアではシャロー帯でメタルジグをアンダーでフルキャストして10kg、20kgというヒラマサを狙うこともある(もちろんプラグで狙う状況もあるが)。こうした地域ごとの特色に合わせた機種もラインナップされている。
ドラッグフォースは、同じくジグザムシリーズのワイルドジャークと比較すると強め。大型魚への対応力も高い。バット部にはC・N・T(カーボンナノチューブ)をコンポジットし、細身で扱いやすいブランクでありながら、魚の走りをしっかりと止められるネバリ強さを備えている。

一方、前作と比較するとティップのしなやかさは増している。もちろん軟らかいという意味ではないのだが、全身バッチバチの剛竿というイメージとは異なり、操作感も高く食わせ能力の高いティップも特長だ。
また、パワーレンジが広い。機種名の数字、例えばJDF621S-3/4であれば「3/4」というのは3番でも4番でもあるというイメージ。ルアーウエイトは120-200g (Best120-150g)と範囲が広い。
このあたりの組み合わせも戦略のキーだ。あえて重めのジグを背負わせてみたり、あるいはロッド番手を変えてみるなど、使用ジグウエイトとロッドの組み合わせで、海中のジグ操作をイメージに近づけられる。
また、各機種を持ち替えた際に、ジャークなど操作時の使用感が変わらない設計にしているのも特徴だ。
同じシリーズでも、レングスやパワーが変わった機種を手にした時、ジャークのリズムが狂う感覚はあるもの。ジグのウエイトが乗っていないのに動かしてしまってスカスカ感があったり。
ドラッグフォースは、当然各機種に適合するジグウエイトはあるのだが、そのシャクリ感・操作感自体はどの機種を使っても近しいものになるよう調整されている。
各機種個性はあるのだが、どれを使っても「ドラッグフォースだなぁ」という使用感。シリーズ全機種を通してのフィーリングも意識して作られている。
ガイドにはチタンフレームとSiCリングを組み合わせ、ライン放出や感度に影響する重要部分を軽量かつ高耐久に仕上げている。

スピニングタイプ RVガイド (チタンフレーム,SiC)

ベイトタイプ RVガイド (チタンフレーム,SiC)
面白いのがバットガイドで、RVガイドを採用。RVガイドはキャスティングロッドに用いられることが多いが、前述したようにジグをキャストする状況も加味し、ライントラブルを防ぐガイドとなっている。
RVガイド、Kガイドを適所に配した設計は快適なラインの出し入れを感じさせてくれるはずだ。
グリップ周りはスピニングモデルにDPSシート、ベイトモデルにはPLSシートを採用し、リールシート部には西陣織カーボンパイプを用いることで、強度と質感の両面で高い完成度を持たせている。


シャロー、激流、電動…。幅広いラインナップ

ここからは各モデルの特色について触れていく。まずはスピニングモデルから。
JDF631S-2/3は、シャローからミッドレンジの攻略に適したテクニカルモデルだ。ジグの初動を抑えて飛び過ぎを防ぎ、ナチュラルなスイミングを演出しやすい特性があり、水深50m前後での食い渋り対策にも向く。細身でしなやかだが、走る魚を受け止める芯の強さを備えている。

JDF621S-3/4は、近海の広いレンジをカバーする万能タイプ。アンダーハンドキャストで広範囲を探りやすく、ワンピッチからコンビネーションジャークまで幅広い操作に対応する。ソフトティップと安心感のあるバットパワーの組み合わせにより、日本各地の近海ジギングを一本で通したいアングラーに扱いやすいモデルとなっている。

JDF611S-4/5は、より深場や大型を意識したパワーモデルだ。繊細なティップがジグの姿勢を整えつつ、骨太のバットパワーが掛けた魚を主導権ごと制する。150〜180gのジグ操作を中心に、水深100m付近までを得意とする。

JDF601S-5/6は、ストロング性と操作性を兼ね備えた一本で、深場や根際での強引なやり取りに対応するモデル。180〜200g級のジグを扱いやすく、ティップとバットの剛性差を利用したコントロール性の高さが特徴だ。

続いてベイトモデル。瀬戸内海、明石海峡、鳴門海峡、来島海峡など潮が走るフィールドにも対応するモデルが揃う。大型リール、電動リールを想定したリールシート周りも非常に便利。
急流域を想定したJDF591B-G5/6。グラス素材をベースにしたブランクが強い追従性と粘りを生み、150〜300gという幅広いジグに対応。着底感を明確に伝えつつ、魚を暴れさせずに浮かせる強力なリフト力を発揮し、電動リールの使用も想定されている。

さらに流れの強いポイントではJDF591B-G7/8が選択肢となる。250〜400gの重いジグを扱うための強靭なバットパワーを持ち、激流の中でもジグの姿勢が安定しやすい設計。大型青物とのやり取りにも十分な体力を備えたバーチカル専用の一本だ。

状況に最適な一本が選べる
ジグザム ドラッグフォースは、近海ジギングにおける「その状況に最適な一本」を追求する姿勢が色濃く表れたシリーズであり、いずれのモデルも明確な役割を持つ。水深、潮流、ターゲット、そして求める操作性に合わせて選ぶことで、釣りの幅を大きく広げてくれるだろう。





















































