テイルウォークが2025年に送り出した新しいエギングロッド「エギストSD」が各地のエギンガーから注目を集めている。

従来のSSDシリーズを現代エギングに合わせて刷新した後継シリーズという位置づけであり、その完成度はフラッグシップ機に迫るほど。初めての一本にも選びやすい価格帯でありながら、使い込むほどロッドのポテンシャルが分かる、まさに「次世代スタンダード」と呼ぶにふさわしい仕上がりとなっている。
エギストSD

エギングエキスパート・河野剛志さんと意見を交換しながら完成したエギストSDは秋の小型イカから春のモンスター狙いまで幅広いシーンに対応するラインナップ。
| モデル | レングス(ft.in) | 継数 | 仕舞寸法 (cm) |
ロッド自重 (g) |
適合エギ (号) | 適合ルアーウエイト(g) | 適合ライン (PE) | 本体価格 (税別) |
| S86L/SL | 8’6″ | 2 | 133 | 86 | 1.5-3.5 | max 20 | 0.3-0.8 | ¥30,000 |
| S75ML | 7’5″ | 2 | 116 | 79 | 1.8-3.5 | max 25 | 0.4-1.0 | ¥30,000 |
| S82ML | 8’2″ | 2 | 128 | 85 | 1.8-3.5 | max 25 | 0.4-1.0 | ¥31,000 |
| S77M | 7’7″ | 2 | 119 | 82 | 2.0-4.0 | max 30 | 0.5-1.0 | ¥32,000 |
| S86M | 8’6″ | 2 | 133 | 91 | 2.0-4.0 | max 30 | 0.5-1.0 | ¥33,000 |
軽さと強さ
その中で大きなテーマとなったのが、軽さと強さの両立だ。エギングはキャスト、ジャーク、ステイの一連の動作を繰り返す釣りであり、ロッドの軽量化は疲労を軽減し、操作性や感度にも直結する。しかし単純に軽くすれば強度が落ちるというトレードオフがある。エギストSDはこの根本的な課題に踏み込み、ブランクス設計から徹底的に見直されている。

従来のSSDシリーズでは、軽さやシャープさが求められる部分には40t高弾性カーボンを、パワーが必要な部分には24~30tのカーボンを配置するといったセクション設計が採用されていた。これに対しエギストSDでは、ブランクスの多くを30tクラスのカーボンで構成するという単一マテリアルに近い思想に刷新。

これにより過度な肉厚化や複雑な積層を排し、軽量かつ均一で自然なベンドカーブを実現している。アオリイカが掛かると負荷に応じて素直に曲がり込み、ファイト時にはしっかりと粘る。その一方でシャープな張りも備え、ジャークへの反応は実にキレがある。
ブランクスの表面はアンサンドフィニッシュとされ、塗装を排したことでさらに軽量化に貢献している。グリップ周りもライトゲームロッドのようなミニマルデザインを採用し、余計なパーツを省くことで軽さと操作性を強化。リール装着時のバランスにもこだわり、手元で操作した時のモーメントが最適化されている点も見逃せない。

ガイドはステンレスフレームにSiCリングを搭載し、耐久性を確保しながら重量を抑えている。これら細部設計の積み重ねによって、エギストSDは強さを保ちながら驚くほどの軽さを達成しており、最も軽いモデルでは70g台というスタンダードクラスとしては異例の重量に仕上がっている。

実釣では軽快なジャークが続けやすく、感度の高さから小さな触りもキャッチしやすい。キャスト時にはシャープな反発力がエギを気持ちよく前へ押し出し、掛けてからはしなやかに追従してバラしにくい。エギングに必要な性能を高次元でまとめ上げたロッドといえるだろう。
軽さ、強さ、操作性、そして扱いやすさ。この4点を高度に融合させたエギストSDは、ビギナーの初めての1本としても、ベテランのサブロッドとしても選ぶ価値がある一本に仕上がっている。現代のエギングシーンに合わせてアップデートされた次世代基準として、今後のエギングロッド市場でも中心的な存在となりそうだ。

テイルウォーク公式「エギストSD」詳細ページはこちら





















































