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【VERSART FABER】高感度すぎない、適正の感度を追求。バイトが“明確な違和感”として分かるフリーリグ機「VFC-67MHS」開発秘話/藤波和成

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琵琶湖のバス釣り入門

皆さんこんにちは。

ピュア・フィッシング・ジャパン プロチーム琵琶湖ガイドの“藤波和成”です。

前回、2026年春に、アブ・ガルシアから放たれるNEWロッドシリーズ「VERSART FABER(ベルサート ファベル)」の、僕が監修する「VFC-65MLS」について解説させていただきました。今回は「VFC-67MHS」についてお伝えいたします。

藤波 和成(Kazushige Fujinami) プロフィール

愛知県出身・1972年生まれ。バスフィッシング歴40年以上の、琵琶湖・北湖全域をメインエリアとして活動するバスフィッシングガイド。長良川におけるバスフィッシングの第一人者としても知られ、数々のトーナメントで優勝経験を持つ実力派。日本で初めて“フリーリグ”をガイドメニューに導入したパイオニアでもある。 豊富な経験から導き出される独自理論で確かな結果を生み出しながら、現在も多くのゲストを日々ガイドしている。

「VERSART FABER」(VFC-67MHS)【アブ・ガルシア】

VFC-67MHS」を一言で云えば、ボトムの変化をシッカリ感じながら、魚からの反応に対しては“明確な違和感”として感じるロッドです。

このロッドの開発も「VFC-65MLS」と同様に2018年に始まり、ファーストサンプルは2019年に上がりました。先ず目指したのはフリーリグのメリットを引き出し、デメリットをシッカリフォロー出来るテーパーデザインの構築でした。

まだその当時、フリーリグの日本国内での認知度はカナリ低かったんですが、韓国の友人を通じてフリーリグを知り、琵琶湖ではイキナリその破壊力は凄まじく、国内では誰よりも早くガイドプランに取り入れた気がしています。それもあってか、どのエリアで船団に巻き込まれたとしても、フリーリグを使っている僕らだけバイトが止まらず、近くのボートから「何で釣っているんですか?」と声を掛けられる経験を何度もしました。

開発秘話:フィールドを選ばないフリーリグ機

フリーリグのデメリットをカバーする事に重きを置いて開発

そんな時間を長く経験しつつ、フリーリグの理解度を深めていきました。

ただ、その為のロッド開発を琵琶湖に頼ってしまうと、フリーリグのロッドというより、ウイード攻略の為のロッドという大前提が付き纏い、僕が理想とするテーパーよりもはるかに強くなってしまい、作業は困難を極めていった感じでした。

もっと深くフリーリグを理解したくて、国内色んなフィールドにも通いつつ、発祥である韓国のフィールドにも実際に行ってきました。

このリグがどんなロケーションで生まれ、どんなタイプのワームを使い、どんな特長で、当時の韓国では“国民的リグ”とまで云われるほどの釣果と認知度に繋がっているのか?

特に 現地のアングラーとのコミュニケーションでそのリアルを感じられた事は、僕としてはメチャクチャ大きな成果で、それ迄フリーリグのメリットを引き出す事とデメリットをカバーする事、その2つを別でイメージしてたけど、ロッド開発においては“デメリットをカバーする事”にウエイトをおくべきって事に気づいたのも発祥の地である韓国。

そして国内様々なフィールドに通い確信した感じです。

開発秘話:感度を上げすぎない、適正の感度を追求

フリーリグ2つのデメリットとは?

因みにフリーリグのメリットは今や誰もが知るところだと思いますが、やはりシンカーとワームが離れやすくノーシンカー状態が随所で作れる事。

このフリーリグ最大のメリットはある程度どんなロッドであろうとリグ自体の特性かなと。だからこそ、付き纏うデメリットをカバーすることがロッドに求められる事で、そのデメリットは僕的に大きく2つあります。

1つは“フッキング時のパワーが伝わりにくいケースが、その他リグより多くなる”。

もう1つは“バイト時にバスがワームだけを運ぶことが多い為、バイトを感じた瞬間からフッキング動作の間にシンカーをバスの口にあるワームにぶつける様な動作を無意識にすることで、フッキングが甘くなったり、スッポ抜けたりしてしまう事”。

“明確な違和感”としてバイトが伝わるロッドを目指して…

こういったケースはバスの状態、季節感で発生率がカナリ違いますし、この改善に対しては正直どちらもある程度、アングラー側の意識は必要かなと思います。

特に後者のデメリットにおいて、僕個人的には従来の感度を上げすぎたテキサスロッドでは、よりハンデを背負った状態で釣りをするように感じていて、今回の機種ではボトム展開を軸にしたロッドでは異例の感度を上げすぎない、適正の感度に拘ったつもりです。

ボトムの変化をシッカリ感じながら、魚からの反応は“明確な違和感”として伝わる…これが最大のアドバンテージだと実感してます。

感度が高すぎるとストレスになる理由

例えば、ボトムの変化はラインを引っ張る事で感じ、魚からの反応は逆にラインを引っ張られる事で感じます。そのラインに対する力を矢印で想像したら真逆なハズなのに、感度重視のロッドでは常に同じに感じてしまう感覚というか。

もっと例えるならマイクの感度を上げすぎると周りの雑音まで拾いすぎて聞きたい音が聞こえない感じと言いますか…。

ボトムの変化とバイトを明確に判断できるロッドに完成

そんな現場のストレスを「VFC-67MHS」では、適正な感度に絞る事でボトムの変化をシッカリ感じながら、魚からの反応はそれ以上の“明確な違和感”として、安定したフッキング動作へと繋げていけるロッドになっていると思います。

このロッドに対しても沢山のサンプルを作りました。

その中で何パターンかは製品として合格の完成度となりましたが、今回は琵琶湖など、ウイードにも対応可能なトルクのあるブランクをリリースします。先ずは7~14gのフリーリグで使っていただいたら、今回のレポートに納得していただけるかなと思っています。

ちなみにこの先はMH(ミディアムヘビー)より若干パワーレンジをマイルドにしたM(ミディアム)のリリースがあるかもしれません。

VERSART FABER。

僕の“経験のカタチ”に期待して欲しいと思います。

公式Instagramアカウント「versart__faber 」もぜひチェック!

VERSART FABER公式Instagramアカウントはこちら

ピュア・フィッシング・ジャパン(PURE FISHING JAPAN)

アブ・ガルシア、バークレイをはじめ、ペン、サベージギア、プラノ、ハーディなど世界的に有名な各ルアーブランドの企画・製造・販売を行っている総合ルアーメーカー。取扱っているアイテムはリール、ロッド、ルアー、アパレルほか多岐に渡る。
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