Galápagos連載「タカシマムザホルモンの【月刊】たいのきもち」
2025年8月末「大体もうやり尽くした」と皆口を揃えるタイラバのネクタイカラーに作った本人もビビるくらい釣れてしまった“大ヒットカラー”が爆誕しました。
それが「鯛龍NOROSHI」 リバーシブルブラック新濃いオレンジというカラー。
今回はおかげさまで大反響を頂いているこのカラーについて、掘り下げてみようと思います。
記事に入る前に、まずはこのカラーが爆発しているこちらの動画をご覧ください。
尺の都合上泣く泣くカットされている魚も含めると…2人で一体何枚釣ったのやら。おまけにナナマルまで登場。明石、しかも真夏の午後ショート便でこの釣果は作った本人もびっくりです。
「リバーシブルブラック新濃いオレンジ」というカラー
ここ数年の流行としてまだまだ記憶に新しい「リバーシブルカラー」。
通常タイラバのネクタイは裏表で同じ柄を使いますが、誰が最初に思いついたのやら裏と表で違う柄、色を使っちゃおうという欲張りなカラーがこのリバーシブル。

これがリバーシブルカラー。片方ブラック、片方ゴールドのいわゆる黒金という色の使い方です
オフショア用のジグにはイカ食い用のカラーとして昔からありましたよね。あれです。
このリバーシブルカラー、昨年末に鯛龍シリーズにも黒金(リバーシブルブラックゴールド)・オレ金(リバーシブル濃いオレンジゴールド)・赤オレ(リバーシブル濃いオレンジレッド)が仲間入りしました。
そして今年満を持して登場したのが“オレ黒”。
オレンジとブラックの単色を組み合わせた“リバーシブルブラック新濃いオレンジ”という代物です。

テスト投入直後からチビから大鯛まで釣れまくりました。明石のナナマルもこの通り
このカラー、事前告知の段階で「ビビビ」と来ていたタイラバフリークが多く、大変ありがたいことに発売後即完売。※本当にありがとうございます
この記事を書いている9月末にもなると2度3度増産した分が世に出たことにより、明石の船を中心にかなりの釣果が出ています。この“明石で釣れる”というのが嬉しいところ。
これはあくまで個人的な視点ですが、明石というエリアはバス釣りの「城北ワンド」のようなものと思っており、休日ともなれば満員御礼大船団の中から鯛を引っ張り出さなければいけないスーパーハイプレッシャーエリアと化します。だからこそ、明石で釣れたらもう無敵。全国で間違いなく釣れるネクタイになるんです。やったぜ。
新色リバーシブルブラック新濃いオレンジ徹底解剖
ところで皆さん「タイラバのネクタイ」と言えばどんなカラーを思い浮かべますか?さあシンキングタイムです。5秒間考えてみてください。チッチッチッチッチ…
…思い浮かびましたか?
地域差こそあると思いますが、おそらくほとんどの人は「オレンジゼブラ」が浮かんだはずです。

王道中の王道。THE・タイラバ。我らがオレンジゼブラ
いまではタイラバ界を飛び出し、イカメタルのスッテなんかでも見かけるようになりました。それほどまでに釣れる。釣果に対する絶対的な安心感。もちろん例に漏れず僕も大好きなカラーなのですが…いつからか大正義オレンジゼブラに対してこんなことを思うようになりました。
「お前、もっと強くなれんか…?」
ただでさえ強いアピールカラーであるオレンジゼブラになんてことを…
でも思い返してみてください。朝一、船長の合図で投入するそのとき。せーので一斉に落とすその瞬間。横一列並んだみんなオレンジゼブラ!という光景に少なからず皆覚えがあるはずです。
ルアーフィッシングは自らの疑似餌を魚に見つけてもらってようやくスタートラインに立てるわけなのですが、なんだかこれでは本当に自分のネクタイ目掛けて寄ってきたのだろうか?と正直、半信半疑。
他の釣りと比べてもいささかカラーの選択肢が多いタイラバという釣りにおいて“王道”オレンジゼブラは“王道になりすぎた”そう思ってしまったのです。
そこで考えたのがオレンジゼブラの中にあっても確実に目立つ【更に強いオレンジゼブラ】。でもオレンジゼブラの釣れる要素と安心感は変えたくない。そんな都合のいい話が果たしてあるのであろうか…と。
これは迂闊にパンドラの箱を開けてしまいました。悩みに悩んで、頭の痛い日々が続くな…と思ったのですが…この問題、ある日突然意外なほどあっさり解決します。
そう。その解決策こそ、冒頭で触れた「リバーシブルカラー」だったのです。

ベタ塗の濃いオレンジとブラックに金ラメを少々
リバーシブルカラーの有効な点として裏表で違う色がたなびくことによる“強烈な明滅効果”が挙げられます。これは単色のネクタイには構造上不可能な表現であり、とてつもなく大きなアドバンテージです。
ならば、片面オレンジ単色・片面ブラック単色のリバーシブルを作ればカラーの持つ性質を変えないまま更に強いアピール力を持つオレンジゼブラが出来るのでは!?と思い付き、早速サンプルを作ってもらって実戦投入。
……もう滅茶苦茶に釣れました。
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びっくりです。正直ちょっと引くくらいです。これまでオレンジゼブラに感じていた濁り潮や高活性時のもう一歩感が綺麗に埋まり、改めて鯛という魚はネクタイをよく見ているなと実感。
このカラーは言うなれば【泳ぐことで完成する最強のオレンジゼブラ】。理想が形となって爆誕したのでした。

黒い方の鯛もイチコロ。ターゲット以外も釣れるって結構重要だと思っています
開発者目線で語りたい。このカラーの出しどころ
「長いこと友達だった気がするのに、よく考えたら会うのは初めてですね!」的なこのリバーシブルブラック新濃いオレンジ。
まずは難しく考えず、オレンジゼブラの代わりに入れてみてください。このカラーが誕生したきっかけの通り、周りがみんなオレンジゼブラ!みたいな時には特に試してほしいと思います。
1流し巻いてみて、もしも“周りのオレンジゼブラが釣れているのに自分のリバーシブルブラック新濃いオレンジにはバイトが無かった”となれば、このネクタイはそっとボックスにしまいましょう。

まぁ大抵は釣れてしまうんですが…。でも確かに釣れない時がある。実はそっちの方が大事なんです
えー…釣れる情報じゃなくて??そうです。釣れる!より、釣れない!その判断が出来る。それこそカラーの「ミソ」なんですね。
水溶けがよく、更に最強格のアピールカラーであるオレンジゼブラをそのまま強くしたわけですから、オレンジゼブラでは釣れるけどリバーシブルブラック新濃いオレンジでは釣れない=アピールの上限はオレンジゼブラであり、それ以上のアピールカラーを今の鯛はネクタイを見つけた上で嫌っている。という判断が出来てしまうんです。
この話、バスやシーバスをやる人には馴染みのある考え方ではないでしょうか?そう、これ実はタイラバ版の「パイロットルアー」という考え方!
短時間で多くの情報を拾えるルアー。流れの強さは?水の色は?魚の活性は?王道オレンジゼブラが存在するからこそ“一投目”に入れることであらゆる情報を拾い、今日一日外さないタイラバゲームを展開するための大きなヒントになるのです。
……と、言われてもなんだか難しそうに聞こえますよね。
嚙み砕くと…
■水をしっかり掴む鯛龍で海中の流れを知り!
■最強のオレンジゼブラで魚の活性を知る!
■超アピールカラーで「見つけられていない」という可能性を除外できる!
これにより…
■今のアピール力の上限はオレンジゼブラなのか、その上でも大丈夫なのかが判断できる!
■更にオレンジゼブラに変えてもバイトが無ければ、少なくともこのタイミングはオレンジゼブラの系統ではないとわかる!
これだけで相当数の情報が整理でき、カラーセレクトの迷いが改善できると思いませんか?もちろん良い反応が得られればこのカラーで続行です。だってあなたは今【最強のオレンジゼブラ】を付けているんですから。
今回の話をまとめると…
この夏爆誕した“リバーシブルブラック新濃いオレンジ”は大正義オレンジゼブラの要素をそのままに、より存在感を強くしたハイアピールカラー。そのタイミングの状況を判断するパイロットルアー的にも使えるネクタイです。
ちょっとだけ業界がザワザワしているこのカラーを早く皆さんに体験してもらいたいのと同時に、「思ってたんと違う!」とならない為に、開発者目線のリアルな解説をさせていただきました。
この話に「ビビビ」と来たあなた。ぜひ使ってみてくださいね。
あれ?鯛の気持ちは?って?…忘れてましたね。ごめんなさい。でも大丈夫です。鯛、このカラー間違いなく大好きです。だってめちゃくちゃに釣れますから。
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