ルアーフィッシングのトピックをこまめにお届けする釣りの総合ニュースサイト

LureNews.TV YouTube Channel

タカシマムザホルモンの「月刊たいのきもち」/一番ウマい“マダイ”を釣りたいなら、秋を釣れ。という話

  • X
  • Facebook
  • Line
  • はてなブックマーク

Galápagos連載「タカシマムザホルモンの【月刊】たいのきもち」

天高く肥えるのはなにも馬に限った話ではない。

日本一のブランド鯛、明石のマダイが1年を通してもっとも美味になるのが今である。秋の味覚は実は秋刀魚よりも実はマダイ…だったりして。

こんにちはタカシマムザホルモンこと、Galápagosの髙島です。

高島 健資 (Kensuke Takashima) プロフィール

Galápagosのディレクター…もとい、なんでも屋。軽い気持ちでタイラバの世界に足を突っ込み、今なお深い沼に沈み続ける毎日らしい。元バス釣りYoutuberだったり元ロッドメーカーの人だったりと一際異色の経歴で今日も現場に混乱を巻き起こしている。タカシマムザホルモンと名乗っているが、某ミクスチャー系バンドとは何の関係もない。

不定期で掲載されるこの連載では、釣行に関すること、イベントに関すること、ちょっとだけ釣りに詳しくなれること…など、様々な情報を発信をしていこうと思います。今回はこの記事の見出しを見て「ウマいタイ食いてぇ~」となってしまった方の為に、1年で1番ウマいマダイ”の釣り方を掘り下げてみようと思います

こんなツヤツヤの鯛を食いたいかー!※雑盛り付け界隈の僕に代わり、明石STAYGOLDのあやかちゃんから素敵な写真をもらいました。本当に美味しそう。

最も美味い鯛を釣りたいなら、秋を釣れ

大阪湾奥や明石エリアには、夏から秋にかけて大量のイワシベイトが押し寄せ、フィッシュイーター達は一層の盛り上がりを見せます。そう、釣り人にとって最高に楽しい季節の到来です。

栄養たっぷりのイワシをたらふく食ったマダイの身はバツグンの脂乗りが楽しめ、食味だけでなく、釣り味においてもブリ族とベイトを取り合うほどの強靭なボディによる“強烈な引き”が魅力だったりします。

パツっとブリッと血色の良い秋の鯛。有名なバスプロの言葉を拝借するならまさに「筋肉満太郎スペシャルエディション」

春先の産卵前こそ至高!という方もいますが、僕は圧倒的に秋のマダイ推し。そんな魅力たっぷりの“秋鯛”を釣る方法を「マダイの気持ち」になって考えていきますよ。

たいのきもちを考える①/秋の鯛ってどんな状態?

先ほども触れたように、秋の海中は魅力的なエサで溢れており、その最たるものが“イワシベイト”という存在です。

「イワシが入ると魚が釣れる」というのはおそらく釣り人達の共通認識。でも「それはなぜ?」というと、確かになんでだろう…となる人も少なくないのでは?

イワシが美味しいから? はい。正解です。

ただ間違いなく正解なのですが、実はもう一歩踏み込んでみると、そのイワシに重要な秘密があったりします。それが【イワシというベイトは柔らかく、消化がよい】というファクターです。

真鯛が狂う脂ノリノリイワシ。Tier-Sはマイワシ。次いでウルメ、カタクチとなる

雑食性の魚は文字通りなんでも食べてその身の糧にするわけですが、そこには我々人間と同じように「好み」が存在します。この「好み」は人間であれば「味」だったり「香り」や「食感」だったりするわけですが、こと野生生物にとっては「消化の良さ」と「カロリー」が大きなウエイトを占めていると僕は考えます。

常にライブで生きている彼らにとって【食事】はまさに【生きること】そのもの。体を動かすには食べること=エネルギーが必要不可欠で「より大きなエネルギーを効率よく摂取するにはどうしたらいいか」を野生の彼らは良く知っています。

それが【高カロリーで、消化が早い=即エネルギーに変換できるもの】を積極的に食べるということ。野生の世界は効率重視なんです。そしてこの条件にハマるのが、身は柔らかく、脂がのっていて高カロリーな「イワシ」というベイト。それ故に、魚たちはイワシの登場を待ってました!と言わんばかりに歓喜するのです。

さて遠回りしてしまいましたが、ここいらで本題に戻していきましょう。

秋のマダイはどんな状態か?

端的に言えば、秋の大イベントであるイワシの接岸で目が♡状態。ただし、イワシを追うには体力=エネルギーを使います。それはボトムの虫系を食べるのとは比較にならないほど。だって、イワシは泳いで逃げますからね。

そこでマダイはこう考えます。「泳いで逃げるイワシを喰らうために、よりたくさんのイワシが食べたい」と。永久機関が完成しちまってるわけです。ノーベル賞ものですね。

食えば食うほど腹が減る→盲目的に追います。どちらかと言えばボトムが好きなマダイという魚ですが、秋はイワシの群れに引き寄せられて中層にもドンドン上がってきます。有り体に言えば【1年で1番アグレッシブ】なのが秋のマダイ。

だからこそ「マダイって底でじっとしてる魚だよね?」というイメージが強い人は、足をすくわれやすい状態でもあるのです。

この時期ボトムでかけた鯛は小型が多い。まだまだ中層でイワシを追いかけまわす体力が無いのだろう

たいのきもちを考える②/鯛に口を使わせるには?

さぁお待たせしました。ここから、ようやくタイラバのお話です。イワシに夢中なマダイをこちらのネクタイに振り向かせましょう。

先ほど書いた通り、イワシつきのマダイは広いレンジ(タナ)で捕食行動を行うのが特長。マダイに限った話ではありませんが、魚のレンジは広くなれば広くなるほどストライクゾーンも広くなってしまうのでルアー(タイラバ)を当てるのが難しくなります。

特に海峡周りの鯛は本当に広く泳ぎます。この子は水深65mの下から30mで食いました。

野球で例えるなら。夏のボトムべったりマダイを狙う時はホームベースのサイズが通常の半分になり、バッターボックスから普通に振っても余裕でボールに届きます。(ボトムから3m以内で勝負が決まるからその3mを集中したらよい) 一方、浮いたマダイを狙う場合はホームベースが横に3つ並んでいるようなもの。(上下の動きが堪能なマダイが水深60m30m付近に浮いており、上下10mがヒットゾーン)

ホームベースが1個のつもりで釣りをしていたらバットは永遠に届かず、大谷翔平でもカンタンに三振してしまうでしょう。これを僕は【マダイの密度が濃い・薄い】とよく表現するのですが、この密度を捉えにくいのが、秋のタイラバは苦手。となってしまう理由です。

ではどうしたら鯛にネクタイを見つけてもらえるのでしょうか?解決していきます。

マダイに見つけてもらうこと

まずはっきり言いますが、中層を狙うのに小さいネクタイ、細いネクタイは不向きです。

写真のネクタイは鯛龍MEGANOROSHI SLIM185Wテール

群れるイワシを下から眺めているマダイ。ボトムというわかりやすい壁がない中層において、アピールの弱いネクタイではマダイに見つけてもらうチャンスを減らしてしまうことに直結します。

“食わせる”より、まずは“見つけさせる”。見つけてもらえなければ食べてもらえません。これ超大事。

そこでオススメなのが大きい・波動の強いネクタイや視認性の良いアピールカラー。Galápagosで言えば「鯛龍NOROSHI SLIM 120 Wテール」よりもシングルの「鯛龍NOROSHI120」。また、より強いアピールで見せる「鯛龍MEGANOROSHI185」が良いと思います。

やはり鯛龍NOROSHI120が一番使いやすい

カラーは強いものから入れて、反応に応じて弱くしていくのがモアベターです。僕ならこんなローテーション。

タカシマムザホルモン流「見つけてもらう」ローテ①

■先発 016リバーシブルブラック新濃いオレンジ

■2番手 015リバーシブル濃いオレンジレッド

■3番手 001ゼブラ濃いオレンジゴールドラメ

■4番手 007ホログラムブラック

■5番手 004グレードットパープル

タカシマムザホルモン流「見つけてもらう」ローテ②

カラーもさることながら、そのサイズ感ももちろん重要。僕なりのネクタイローテーションはこんな感じ。

■先発 「鯛龍NOROSHI120

■2番手 「鯛龍MEGANOROSHI185」or「鯛龍MEGANOROSHI SLIM 185 Wテール

■3番手 「鯛龍NOROSHISLIM 120 Wテール

■4番手 「鯛龍NOROSHI80

※上記ネクタイの比較はこちら

ちなみに。周りもみんな強波動系を使っていて自分のネクタイが目立っていない!という時は「鯛龍BIGNOROSHI SLIM 300」を入れたりします。

【強い→弱い】のローテーションを意識すると秋の苦手は克服できるかもしれませんよ。ただもちろん、マダイのレンジがしっかりと把握できている場合は別。よりリアルな波動を生む120Wテールは通常通り、“食わせ”としての効果を存分に発揮してくれます。

この時はボトムに反応が固まったおかげで鯛龍NOROSHI SLIM 120Wテールを使い良型7連発を楽しめました

今回のきもちをまとめると…

その①

イワシが入ったら大チャンス!良質なベイトに狂うマダイを狙おう!大きなネクタイでイワシの群れを叩き、混乱させるのも有効。落とし直す際にはパニックになり群れからはぐれたイワシを演出してHIT率アップ!

その②

食わせるよりも、見つけさせるためのネクタイを選ぼう!ネクタイ本体もカラーのローテーションも強い→弱いを常に意識!アタリをもらいにいくと、かえって迷子になる!

その③

中層浮き浮きマダイを狙う時はアナウンスされたレンジの前後10mは探ろう!船のアナウンスは25mで、もし25mピッタリにマダイがいるなら、そのマダイは25mからネクタイを追い始めるわけです。

その④

秋のマダイはウマい!きっちり〆て四日寝かせたら…最高!

ということで。ぜひ秋のマダイを攻略して脂ノリノリの食味を堪能してくださいね。

Galápagos(ガラパゴス)

バスフィッシング・ソルトルアーフィッシング、それぞれ異なるジャンルのエキスパート達が集まり2021年に設立。 代表作「Grace240F」を始め、現場で徹底的に研鑽を積んだ逸品が光る。
釣りの総合ニュースサイト「LureNewsR(ルアーニュース アール)」