今江克隆のルアーニュースクラブR「大注目!超実戦派NEWアイテム紹介」 第1251回
MAXセント
次に今シーズン後半期待のアイテムは、新?アイテムではないが3年前にアメリカでリリースされて以来、今江的にめちゃくちゃ使いたかったのに使えなかったアレが、やっと大手を振って使えるようになったアレ。
そう、バークレイのガルプの強烈な集魚効果と使いやすさをハイブリッドさせた新素材爆臭ワーム「MAXセント」。
実は3年前、ピュアフィッシングジャパンが突然のJB/NBC撤退、JBプロ契約終了を公表した折に登場した今江的には日本の歴史に残る「旬」を外した名作ワームである。
「旬を外した」というのは、もしこれが当時JB/NBCで使えていたら、今現在、おそらくトーナメントではほぼ全員が一度は使っていたであろう程の威力と独自性を持つワームになっていただろうということ。

ガルプの普通のワームにはない確実なバイト増進効果はもはや過去の実績からも疑いようもない。「MAXセント」はそのガルプに効果で全く引けを取らないうえ、保管・使いやすさは通常のワーム並みに向上している
正直、今だから言えるが、このワームが出た時、このワームを使えない自分はピュアフィッシングにムカつくほど嫉妬した。
「味と匂い」を大昔から標榜してきたバークレイの歴史の中でも、「MAXセント」は最も完成度の高い、最も使えるワームだったからだ。
バークレイの本社工場、研究所も訪れ、長らくバークレイのワームを使ってきた経験から、バークレイの味と匂いはまやかしではなく確実にプラスであることは強く感じていた。
ガルプの登場により、その効果に疑いを持たなくなったプロは多いだろう。
ただ、生分解性ワームの一種でもあるガルプの使いにくさもまた特筆ものだった。
そのガルプ効果をそのまま特殊な素材を採用することで、含浸・拡散力を普通の塩ビ系ワーム素材の比ではないほど高めたのが「MAXセント」だった。
通常の塩ビマテリアル(環境考慮品)では、パウダー状の魚粉やエビ粉などを練り込むことはできるが、射出成型時の高熱で変性する成分も多く、何より水と親和性がない樹脂なので自然拡散力はまず期待できない。
「MAXセント」開発に至る経緯をよく知るだけに、これが登場しそれが最も必要なJB/NBCで使えないというのは、何という意味梨番長意味不明なのかと思った。

自分がピュアフィッシングをクビになった直後、「MAXセント」でダウンサイズされて作られた「クリッターホッグ 2.6インチ」。まんま自分がデザインした「パワーバルキーホッグ3インチ」や~んってムカついた…

「MAXセント」のチャンクは質感も味も匂いも、そして柔らかな動きもメチャヤバい。しかも丈夫でチャンクにはベストな素材相性だ。この冬、もはやポークは不要になるだろう

琵琶湖のようなウィードレイクで特に有効なロングカーリー(キングテール 8インチ)に「MAXセント」は最も適した能力を発揮する。咥えてから離さないロングバイト性能は塩の比ではない
「MAXセント」の素材
この「MAXセント」の素材は本当に特殊だ。
まるで何か生命体を彷彿させる超高密度の海綿状のような素材構造で物凄い量のバークレイ集魚フォーミュラを内部奥深くまで含浸させることができ、同時に一気に発散せずジワジワと長時間にわたって発散させ続ける。

なんだかそのまま食べられそうな感じすらする「MAXセント」独特の素材感。匂いも凄いが、ガルプのように硬くなく、その生命体っぽい柔軟性と耐久性も特筆ものだ
おそらく通常の塩ビ系ワームの射出成型とは違った独自の特許製法で作られているのだろう。

このMAXセント特有の質感、肌感が醸し出す生命感、触感は唯一無二。ワーム全域に味と匂いが含浸し、拡散パワーもかつての味と匂いのバークレイワームの比ではない
バークレイが伊達に堂々と「釣果“45%”アップ」とパッケージに数値表記するのは並大抵の自信ではない。
誇大広告に敏感な昨今の社会事情から見ても、バークレイラボで45%の根拠を数値で示せるからこその表記だろう。
あの規模のバスの捕食実験ができる設備があるのは世界でもバークレイだけなので、数値的根拠のない味と匂いのイメージ宣伝とは間違いなく一線を画している。
これほどまで研究された特殊素材のワームが、これまで日本の主たるトーナメント界隈で全くといっていいほど評価されていない、評判を聞くことがなかったのは異常な事態だったと言えるだろう。
自分が嫉妬したように、使いたいが使えないムカつく気持ちの裏返しだったのではないかと思う。
釣ることに超特化した世界的ワームにもかかわらず3年以上トーナメントで使えないという異常事態の末に、バークレイのワームは今月からついにJB/NBC使用が解禁になった。
現時点ではまだ2種類しかJB/NBCのエコ登録はされていないが、それだけでも十分な戦力になるワームだ。

エコ登録して欲しいワームの筆頭でもある「クリーチャーホッグ 4インチ」。ただ今年のオールスターでは堂々と全アイテム使えるのは大きな武器になるだろう
市場にすでに出回っているエコ登録商品は数量も限られているため、解禁とともに争奪戦は激しいものになるだろう。
匂いに特に敏感なスモールマウスバスには絶対必需品だと言っても過言ではない。

3年前からいつか使える日が来るかもと捨てられずに保管してた激レアF登録の「MAXセント」。遠賀川戦の前に使えるようにしてくれてれば…泣。桧原湖戦での活躍に期待です
自分がピュアフィッシングに復帰した最初の仕事は、近年トーナメント結果を左右する1匹を確実に釣るために絶対に必要な「MAXセント」素材のエコ登録ワームを、可能な限り早急に増やすことだと考えている。

ピュアに「Dワーム」の「D」の意味を聞いたらホンマにDAISUKEのDのようで…。そりゃ当然、大介もこれでワーム作りたくなるわな…。作って速攻、使えなくなるって…ピュア恐るべし