ヘドン家の末裔、Chuck Heddon氏
プラグが生まれた歴史にまつわる有名な話の1つとして、湖に木片を投げ込んだらバスが喰いついてきたというストーリーがある。その話の主人公こそがヘドン社の創始者となるジェームス・ヘドン氏だ。ヘドン社の設立は1902年のことで、ジェームス・ヘドンとその長男であるウィル・ヘドンによって設立された。
そしてヘドンがPRADCO傘下となった現在、その経営にヘドン家の関係者は携わっていない。しかし唯一、ヘドン一族の末裔で今もなおバスフィッシングに情熱を注いでいる人物がいる。その人物はジェームス・ヘドンの曾孫にあたるチャック・ヘドン氏だ。

△チャックヘドン氏
チャック氏はF.A.T.C.(Florida Antique Tackle Collectors)という団体の副会長を務めており、アンティーク・タックル・コレクターとしても著名な存在だ。83歳という年齢であるが今なお現役でバスフィッシングを楽しまれている。
そんなチャック氏の一番のお気に入りルアーというのがベビートーピード。
「チャックは一緒に釣りに行くとほとんどベビートーピードを投げている。実に7割以上はベビートーピードで、その次に何を使うのかというと思い浮かばない」とはヒロ内藤さん談。それほど、チャック氏のベビートーピードに対する信頼は厚いようだ。
そしてチャック氏はかねてから往年のカラーをまとったベビートーピードを復刻させたいと考えていたようだ。しかしPRADCO傘下となっている現在のヘドンブランドでそれを実現するのは難しいということも感じていたのだろう。
やがてヒロ内藤さんを通じ、日本のスミスが往年のヘドンカラーの再現(スミスファクトリーカラー)を行っていることを知る。その後、ヒロ内藤さんが仲介役となりチャックヘドン氏の希望するカラーのベビートーピードをスミスが再現・発売することとなった。

△ベビートーピード
チャック氏のリクエスト6色を製品化へ
チャック氏が希望してきたカラーは6色で、いずれも自身の生誕年である1942年に発売されていたカラーの中からのチョイスとなった。カラーに関する説明はチャック氏によるもの。
「昔からバスが好むベイトフィッシュを模した色として人気のあったカラーの1つです。ベイトフィッシュのカラーを忠実に再現するのではなく、特徴となる色を強調してバスを刺激します」
「フロッグスポットは子供の頃から大好きな色でした。いつ大型のトロフィーサイズのバスが飛び出て来るのかとワクワクしながら使いました。私にとって切り札であり、いつも頼れる色でした。あまりにもこの色が好きなために、他のヘドンルアーでもこの色を集めています」
「この色はバスが小さなベイトフィッシュを追っている時に良いです。このカラーの秘密は下地のコーティングがスケール模様を引き立たせている点にあります。警戒心が強い、低活性といったバスの注意を惹き付けることが出来ます」
「この色はバスが好む自然界の要素を取り入れています。バスはカエルが好きです。鱗をまとったベイトフィッシュも好きです。バスが好きなカエルと鱗模様を組み合わせた色です」
「この色は光量の低い状況下での使用を考慮して作られました。明るい黄色はとても目立ちます。ショアミノーパターンの模様は長年にわたりヘドンで多用されてきたものです」
「ヘドンの中でも釣果実績が突出して良かった色です。クリアーウォーターのみならずステインウォーターでも同様に高い効果があります。これはジェームス・ヘドンの提唱した”本物のエサに似せる事がルアーの本質ではない”という事を証明する色でもあります」
以上の6色が「チャックヘドン ヴィンテージコレクション」として発売される。

△パッケージに貼られるこのシール「ヴィンテージコレクションシール」が目印だ
チャックヘドン ヴィンテージコレクション ベビートーピード
本体長:2-1/2″(6.35cm)
自重 :3/8oz(10.5g)
価格:オープン
当初2025年6月の発売を予定していたが、生産工程での遅延が生じたため2025年8月発売を予定している。発売が待ち遠しい!
トップウォーターフリークのみならず幅広いバスアングラーから支持されるベビートーピード。今シーズンはその実力を再認識してみるのもいいだろう。
スミス公式「チャックヘドン ヴィンテージコレクション ベビートーピード」詳細ページはこちら
