アメリカでもシャッド形状ワームの中層引きが定番に
バスフィッシングの本場はアメリカであることに相違ないが、近年は文化の逆輸入的な現象も多々見られる。特にフィネスフィッシングに関しては日本の方が進んでいると言ってもいいだろう。日本メーカー製のルアーや日本人バスプロの活躍はもはや言うまでもない。
ジグヘッド+シャッドテールの中層スイミング
そして現在、アメリカのトーナメントシーンを大きく席巻し必須テクニックとなっているのがジグヘッド+シャッド形状ワームの組み合わせで中層を引く、日本でいうところの「ミドスト」や中層スイミングだ。
軽量なジグヘッドリグを一定層にトレースさせるというのは案外難しい。ましてやアメリカのアングラーの多くにとっては難易度の高いものだった。
ところがフォワードフェイシングソナーの登場によりその状況は一変した。
何せ前方にキャストしたルアーが画面に映る。画面を見ながらルアーを操作することで誰しもがジグヘッドリグを一定層にトレースすることが容易になったのだ。そして改めてミドストや中層スイミングの持つ威力がアメリカでも広く知れ渡ることとなった。
改めて支持されてきたシャッドテール形状ワーム
日本メーカー製のシャッド形状ワームが高い人気を得ている反面、アメリカのメーカーからも同ジャンルの新製品が続々と発表されている。トーナメントに上位入賞したプロの使用タックルを見てもシャッド形状ワームの浸透率には驚くばかりだ。
ただ、ワームのテール形状やジグヘッドのバリエーションは日本よりも多岐に渡っている印象を受ける。
ヤマモトベイツが開発した”フィネススイムベイト”
シャッドシェイプスイマーはアメリカでは2024年の秋に発売となった製品だ。テールはいわゆるシャッドテールで、ヤマモトベイツではシャッドシェイプスイマーを”フィネススイムベイト“とカテゴリー称呼している。
コンセプトはマッチ・ザ・ベイトフィッシュ。
そのフォルムはベイトフィッシュのシルエットを模したものであり、さらには3.2インチ、3.7インチ、4.2インチの3サイズを用意することでサイズ感もフィールドに生息するベイトフィッシュのサイズに合わせることができる。全体を細かく振るわせるテールアクションもベイトフィッシュの泳ぎを思わせるものだ。

△サイズ比較。フィールドのベイトサイズに合わせてセレクトできる
シャッドシェイプスイマーはソルトイン素材ではあるが、高比重とされるゲーリー素材と比較すると含有率を若干抑えたものとなっている。このため素材そのものが持つ張りや弾性が損なわれることなく活かされている。
ボディーサイズの割りに小さいシャッドテール。テールの付け根は薄く長い。即ち、軽いジグヘッドでも、デッドスローリトリーブでも良く動く、レスポンス重視型のテールが装着されている。

△レスポンス重視のテール形状
その他の特徴としては、背面腹面ともにスリットが入っているので真っ直ぐにフックを刺しやすいものとなっている。特にオフセットフックを使う場合には非常に便利だ。

△フックセットを正確なものにするスリット。オフセットフックの装着にも便利だ
日本では2025年春から正式発売へ
シャッドシェイプスイマーは2025年春からスミスを通じて日本での販売がスタートした。
豊富なサイズやカラーリングのラインナップがありがたい。
シャッドシェイプスイマー3.2インチ
シリーズ最小の3.2インチ。ベイトフィッシュのサイズが小さいフィールドでは独壇場となるだろう。ハイプレッシャーフィールドでも高い効果を発揮する。
全長:3.2インチ(78mm)
自重:2.6g(カラーによりバラつきがあります)
8本入り
標準小売価格:オープン
シャッドシェイプスイマー3.7インチ
92mmというサイズ感がマッチする日本のフィールドはかなり多いはずだ。ルアーのサイズ感がわからない時点でパイロット的にチョイスするのも良いだろう。
全長:3.7インチ(92mm)
自重:3.9g(カラーによりバラつきがあります)
8本入り
標準小売価格:オープン
シャッドシェイプスイマー4.2インチ
シャッドシェイプスイマーの中では最も大きいサイズとなる4.2インチ。スリムなフォルムとあいまってさほどボリュームは感じないが、単体で5.5gという自重はベイトタックルでの使用も視野に入れられる。またロングキャストが必要とされる状況下では力強い味方になってくれるはずだ。
全長:4.2インチ(104mm)
自重:5.5g(カラーによりバラつきがあります)
8本入り
標準小売価格:オープン
カラーラインナップ
カラーリングのほとんどがナチュラル系もしくはベイトフィッシュライクな色で構成されている。
その中でも注目すべきはヤマモトベイツがステルスカラーと称する透過性の高いカラーリングだ(426、427、428、429、430が該当する)。ハイプレッシャー下のバスに対応したものとされているが、フォワードフェイシングソナーで発見した特定の個体に対して繰り返しアプローチを行う際の使用を考慮されたものと見て間違いないだろう。
297 Green Pumpkin / Black Flake
306 Natural Shad
364 Pearl White
426 Stealth Ice Out
427 Stealth Blue Glimmer
428 Stealth Chart / Purple
429 Stealth Purple Shimmer
430 Stealth Pinkasagi
973 Electric Shad
992 Rainbow Shad
993 Sight Flash
994 Tennessee Shad
9004 Smallmouth Magic
9005 Sexy Shad
9006 Pro Blue
9008 Green Gizzard
9015 Houdini Too
パッケージに関してはブリスターパッケージ入りとなる。持ち運ぶ際に嵩張るという点は否めないが、シャッドテールの場合はテールに癖が付かないことが使用上の大前提となるのでこれが最善策と言えるのだ。
2025年春発売済なので既に店頭で見掛けた人、あるいは入手済の人もいることだろう。まずは実際に行かれるフィールドのベイトフィッシュにサイズ感とカラーを合わせるところから始めてみたい。バスのみならずソルトウォーターのターゲットにも効きそうだ。
スミス公式「ヤマモトベイツ シャッドシェイプスイマー」詳細ページはこちら
