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【開発者激白】O.S.P初のアユルアー「チェスター」徹底解説!開発秘話とその魅力について

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コンセプトは、複雑な川の流れの中でも常に泳ぎが安定していること。

O.S.P初のアユルア-として待望のリリースを果たした「チェスターSR/MR」。

O.S.P公式「チェスターSR/MR」詳細ページはこちら

シーズン序盤の天然遡上サイズに対応。

通年でアユを驚かせず、襲いやすい76mmサイズ。コンパクトながら自重があるため、スピニングタックルでもベイトタックルでも扱いやすい。

固定重心の採用で、飛行姿勢も安定。薄肉設計による強度確保のためハニカムボディを装備し、ウエイトには高比重タングステン玉を低重心で配置。体高を持たせて腹部のウエイトと背中との距離を確保することで、キビキビとした安定感のある泳ぎを実現し、アクション後の復元力も向上。警戒心を与えないタイトアクションを実現しつつ、流れの変化や石の大小の違いなどを竿先へ鮮明に伝える水受けの良いワイドリップを採用。

といったように、細部にわたって拘りの詰まった「チェスターSR/MR」。アユルアーシーズン最盛期ということで、気になられている方も多いハズ。

今回はより詳しい内容をお届けすべく、先日開発に直接携わられた“O.S.P”スタッフへ記者が気になっていることをアレコレ伺ってきましたので、今回は教えていただいた内容を、こちらでお届けできればと思います。

Q:開発秘話・開発意図を教えてください。

A:私が最初の釣行で持って行ったのは、他メーカーさんのアユ専用ルアーとO.S.Pのバス用ルアーでした。

ミノーの「ドゥルガ73 (SP/F)」(73mm)、「阿修羅O.S.P II」(92mm)・「ヴァルナ 110(SP/F)」(113㎜)や、シャッドの「ハイカット( SP/F)」(60mm)やクランクベイトの「タイニーブリッツMR」(44mm)・「ブリッツMR」(52mm)でした。

行ったのはシーズン前半の相模川で、事前の予想では、ミノーが一番釣れるのかな…と思っていましたが、結果的には全てのルアーで釣れたものの一番釣れたのは「タイニーブリッツMR」でした。しかも、色はアユっぽくない“黒金オレンジベリー”。釣れはしたものの、O.S.Pルアーの中で一番向いていないと思ったのは、ミノー3種類でした。

この経験がその後の開発に大きく影響しました。

黒金オレンジベリー

Q:特長と魅力を教えてください。

A:釣れるアクションを途切らせず持続することを重視しています。

川の流れは流心と外側では強さや速さが異なり、そこに石があると石の前と後ろと横でも異なります。湖の止水域とはカナリ条件が違う上に、トレブルフックのような姿勢を安定させるパーツもありません。ルアーによっては複雑な流れの中で、本来の泳ぎを失うことが多々あります。この瞬間は生き物ではなく、プラスチック片になってしまいアユは掛かりません。この時間を極力短くする・無くすのが開発ポイントでした。

具体的な方法は?

方法としましては、プラスチックを肉薄化した上で強度を維持できるハニカムボディの採用。リップ形状やアイの位置もカナリ重要でした。

後は、2つのタングステンウエイトを腹から露出し、間にあるアイを横向きにすることで、距離を近づけ、一点集中プラス低重心を実現しています。

ハニカムボディ

露出ウエイト

急流や流れに揉まれて、バランスを崩してもリカバリーが早く、バタつき過ぎず・途切れさせず、釣れるアクションが持続するようにしています。アユに襲われる時は、何かキッカケがあった方が良く、フラッシングも1つのトリガーです。ボディをフラットサイドにしてフラッシングを発生しやすくしています。

体高をつけてフラッシングと浮力、姿勢のリカバリー力をUPしています。見た目をアユに近づけるよりも、性能的に釣れるルアーにすることを重視した結果、シャッドのような形状になりました。

全長76mmに対する拘り

全長が76mmと小型なのはシーズン前半のサイズが小さい時期でも襲われやすいことを意識しています。

自分よりも大きいアユに果敢にアタックする個体もいますが、相対的に見ると自分と同等か小さい方が襲われやすいと思います。また、アユに限らず自分の縄張りに居座る全ての魚を攻撃します。「チェスターSR/MR」は襲われやすいサイズに加えて、邪魔くさいと思わせるアクションを意識しています。自重は9gありますので、スピニングでもベイトタックルでも使用可能です。

Q:どのような状況や場所での使用が効果的ですか?

A:アユは時間帯や天気によって居場所が変わります。

チャラ瀬のように膝ぐらいの水深から腰から胸ぐらいの流心まで幅広いです。石にコンタクトしないとアユは釣れないので、それらの水深を1つのルアーで賄うことは出来ません。また、レンジを変える度にルアーのサイズ感や使用感が変わると感覚が変わってしまいます。「チェスターSR/MR」は共通ボディでリップ違いのSRとMRがあり、同じ感覚で異なるレンジを攻略することができます。

Q:基本的な使い方、SR/MRの具体的な使い分けを教えてください。

A:友釣り的な見えている石を一つ一つ丁寧に攻める止める釣りと、投げては巻くを繰り返す巻きの釣りの両方対応可能です。SRとMRはレンジの使い分けだけで、SRが水深30~80cm、MRが水深70~130cmぐらいです。

チェスターSR

チェスターMR

Q:オススメカラーやローテーションの考え方を教えてください。

A:全8色あり、下地のベースカラーと背中の色が使い分けのポイントです。

ベースカラーはパールベース2色と、シルバーベース2色と、ホロが4色ありますが全部違うホロです。背中は視認性の良いチャートやピンク塗装が5色。個人的には中間的な色からスタートします。

ローテーションについて

透明感があって光過ぎないホロを使用した“ハーフミラーサイトアユ AL05”やシルバー塗装ベースの“グリーンアユ AL03”からスタートし、活性が低ければパールベースに変更したり、逆にフラッシングの強い“サイトクラッシュ AL08”をワンポイント使うのもアリです。色を替えるとすぐに掛かることも多いのでカラーローテは頻繁に、かつ振り幅が大きい方が効果的だと思います。

ハーフミラーサイトアユ AL05

グリーンアユ AL03

サイトクラッシュ AL08

Q:初めて使用する方へメッセージやアドバイスをお願いします。

A:「チェスターSR/MR」は周りにいるアユに馴染んで泳ぐのではなく、邪魔くさいと思われるアクションを意識しています。もちろんサイズも小型なので、驚かすようなアクションではありません。縄張りを侵略し邪魔くさい存在になるようにお使い頂ければ釣果に結び付くと思います。

以上! “O.S.P”スタッフへ伺った「チェスターSR/MR」に関する詳細をお届けしました! 正にハイシーズン中のアユルアー。ぜひ満喫してみてくださいね!

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出典:YouTubeチャンネル「 O.S.P」

O.S.P(オー・エス・ピー)

2000年6月設立。日本のみならず世界で活躍した並木敏成が代表として自身の経験を活かし、「10 Years Standard(10年基準)」をコンセプトにモノ作りを行う。日々生み出されるルアーは定番となり、多くのバスアングラーから熱く支持されている。
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