【礒野寛之のエリア開発通信 vol.8】開発者のエリアゲーム探求に欠かせなかったソリッドティップモデルがいよいよ製品化

2025年06月09日

アヴェルラ、ソリッドティップ4機種がいよいよ…

皆さんこんにちは。礒野寛之です。

礒野寛之（Hiroyuki Isono）プロフィール

スミスでトラウトタックルの製品開発に携わる。フィールドテスターから社員になったという経歴を持つ。エリアトーナメントでの上位入賞も数知れず。サンライン、オーナーばり、ストリームトレイル、リブレ、ZEQUE by ZEAL OPTICSのサポートを受ける。

ちょくちょく各メディアでは露出してきましたが、長きに渡り開発テストを進めてきたエリアトラウト用ロッド「アヴェルラ」のソリッドティップモデル(4種)がいよいよ量産体制に。

スティル用ロッドとして拘りを詰め込んだ「アヴェルラ」シリーズへのラインナップ追加

トラウトロッドならではの落ち着きある雰囲気を持たせつつも、テクニカルな展開にアジャストしていく。そして、他では代わりが効かないような特異性まで意識して設計しています。「本気で拘り楽しみたい」そんな時間をサポートするためのシリーズです。

アヴェルラシリーズの共通コンセプト

ルアーのポテンシャルをしっかりと発揮して魚との駆け引きを味わいたい。細かな違いまで感じ取り、そのアジャストまで楽しめるものであって欲しい。

それは私の場合、趣味的にも職業的にもどうしても欲しい要素だったんです。

2025年に発売されるソリッドティップモデルは4機種！

そのための個性際立つ4機種。まずはそのコンセプトを…。

FLA-S510LF-TZ キングラプター（2025年7月発売予定）

FLA-S510ULF-TZ グランドイーグル（2025年7月発売予定）

FLA-S56L-TZ ハントホーク（2025年10月発売予定）

FLA-S56MLF-TZ クイックショット（2025年10月発売予定）

7月発売予定「キングラプター」

まずは、2025年7月に発売予定のこちらの機種、「キングラプター」をご紹介します。

様々なルアー開発をしていく中「一本のロッドで」僅かな違いまで把握しながらひたすらに追いかけていけるロッドが欲しい、そんな気持ちが強くなりました。必要なタイミングで必要な分だけ動かす、その感覚を明確にしたい。誘いやフッキングの面でも足し算・引き算的な加減の調整を行いやすい。元々は3本の別々のブランク素材を組み合わせたカスタムロッドを長い期間使っていましたが、それを量産仕様に持って行ったのがこのモデルです。

「一本で細かく広く、魚と会話し続けたい」そんな拘りが生まれ開発スタート。

このロッドは、「情報を得やすい」「それらを理解しやすい」そして「加減を調整して動作に反映しやすい」ものである事を特に強く意識し設計しています。

ソリッドティップならではの食い込みの良さを持たせながらも、口に触れたフックを速めに立たせ、素早いテンポで魚を掛けやすくしています。

フッキングを遅らせたい時はアワセの動作を弱く遅く、逆に早めたい時は速く強く…それはアワセの中では単純な動作ですが、そのタイミングや強さを思い通りにアジャストできるかどうかは、ロッドの本質が問われます。

先調子ならではのアドバンテージ

誘う時もフッキングしていく時も、そこでの入力の速さと強さを調整しやすいものは、より心地の良い状況アジャストへと繋がります。そこでこのロッドで表現したのは、ファーストテーパー設計。

ソリッドティップを中心に機能させ、大きく合わせず繊細に絡めていくか、バット側を必要な分スライドさせてスパッと動かすか…それだけでも大きく変化を与える事ができます。そのような繊細な入力が重くだるくならないよう、ティップ〜ベリー周りを中心に軽快に操れる感覚となるようバランス調整を繰り返しました。そのためバット部は僅かに曲がる程度で、口径の広い薄巻き高弾性ブランクを採用。セクション毎の役割分担を明確にさせています。

適合ルアー

スプーンは、0.3g程度の超軽量級〜3gオーバーの重量級まで広く対応。トップウォーターもカディス、パペット・サーフェス、パペット・モアと、各モデル器用にカバーします。スティルエリアT2のようなミノーは、優しめのジャークまでが扱いやすい範囲、といったイメージです。クランクベイトの場合も、フックを口に立たせるタイミングを速めたい時や、スパッと掛けるか絡めるか…を悩むような表層展開でも活きてきやすくなります。ダンゴウオの応用的な誘いにも。

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