2025年、新たに4機種が追加となる「VERSART G.O.A.T」。
各モデルについては前回の記事で紹介していますので、ぜひそちらもご覧ください。
さて、今回は4機種の中でも、僕自身が開発に深く携わった“VGC-68MS”というロッドについて、詳しく解説させていただきたいと思います。
VERSART(VERC-610HS)のDNAを継承し、よりマイルドに
“VGC-68MS”の話をするには、「Versart」オリジナルに話を遡る必要が…。
アブ・ガルシア公式「Versart」詳細ページはこちら
オリジナルモデルに“VERC-610HS”というロッドがあり、これはヘビークラスのバットパワーに、やや張りのあるハードソリッドティップを搭載した、パワーゲーム特化モデルです。ボトムのタッチ感やルアーのアクション、バイトへの感知能力が非常に高く、特にフリーリグや高比重系ワームの釣りに最適。現在も僕の“右腕”として活躍中。

VERC-610HSでの釣果
しかし、様々なシチュエーションで“VERC-610HS”を使っていくうちに、「これくらいの軽いストラクチャーなら、もう少しマイルドなロッドでも良いかも」、「ロッドパワーを少し落とすことで、より得られる操作感もあるのでは?」といった改善点や明確なイメージが浮かび上がってきました。
例えば、ウイードが点在するエリアのフリーリグや、オープンウォーターでの地形攻略などの場面では、Hクラスのパワーよりも、Mクラスの感度や、ルアーウエイトの幅を持たせることにメリットがあると気づいたのです。“VERC-610HS”で感じた、“カバーゲームにおいてソリッドティップで繊細に感知し、Hクラスのパワーで豪快にファイトする”というイメージを、“VGC-68MS”では、“オープンエリア〜ライトカバーにおいて、十分なパワーと繊細なアプローチ、そして高い汎用性を発揮する”というコンセプトに昇華させて開発をスタートしました。
“VGC-68MS”だから伝わる情報がある
プライベートでもロケでも、ビッグレイクから小規模なため池まで、様々なシチュエーションで数多くのルアーを使い、トライ&エラーを重ねてきました。そして、ようやくイメージ通り…いや、それ以上の仕上がりに完成しました。
前述したように、パワーが求められるカバー周りでは“VERC-610HS”、それ以外のエリアでより繊細さと汎用性が求められるシチュエーションでは“VGC-68MS”という形で、引き続き両モデルを適材適所で使い分けていきます。
“VGC-68MS”を実際使う中で、“VERC-610HS”では感じ取れないようなことが“VGC-68MS”では分かるというシチュエーションも数知れず。繊細になった分伝わる情報がある。逆にパワーの面では“VERC-610HS”の方が長けているので、その辺りは状況に応じて、今後も使い分けていく必要があるなと考えています。
汎用性の高さも特長
“VGC-68MS”を使っていただく場合、やはり一番試していただきたいのはフリーリグですが、汎用性の高さも気に入っている点です。相性の良いリグを以下に、いくつかまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
5〜14gクラスのテキサスリグ&フリーリグ
カバージグを用いたベイトタックルでの吊るしメソッド
7〜9inクラスのロングワームメソッド
5〜7inクラスのパワーミドスト、ホバスト
などなど…ワーミングがメインにはなりますが、ジャークベイトやミノーなど、ロッドアクションを多用する操作系ハードルアーにも適しています!
リールとの組み合わせもお伝えしておくと、ギア比7〜8クラスのベイトリールに、フロロカーボンライン12Lb〜14Lbを組み合わせることで、ワーミングからハードルアーまで、幅広く快適に扱うことができます。
「Versart」の“VERC-610HS”で得た経験があってこそ生まれた“VGC-68MS”。さらなる汎用性と繊細さを備えたロッドが、今夏いよいよデビューします。