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【動く魚図鑑】ケンサキイカ【釣って撮る】

Reprinted Source:TSURISOKU
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〈分類〉
ツツイカ目ヤリイカ科ヤリイカ属

〈分布〉
日本近海では青森県以南に広く分布するが、本州中部以南、九州周辺での水揚げが多く、比較的暖かい海を好む。東シナ海、南シナ海、インドネシア沿岸まで広く分布する。

混同するほど地方名がたくさんあるイカ。甘みのある食味で、各地で愛されているイカです

標準和名でいう「ケンサキイカ」は、各地方で実に多彩な地方名がある。一例を紹介してみよう。

釣り人の間では、東京湾、相模湾の船釣りで「マルイカ」の名で親しまれるが、千葉の小湊や鴨川周辺では「アカイカ」と呼ばれたりする。市場では、やはり「アカイカ」の名が通りがよいことが多い。東京湾、相模湾で釣りの対象となるような小型のケンサキイカを、静岡県ではジンドウイカと言うこともある。

関西地方に目を向けると、和歌山県で釣りの対象となるアカイカ。釣り人目線で見ると、日本海側では新潟県でアカイカ、福井県ではマイカ、富山県ではアカイカ、鳥取ではシロイカと呼ばれたりする。島根県も面白く、石見ではマイカと呼ぶが、出雲・壱岐ではマイカといえばスルメイカを指すのが一般的だ。

九州地方も興味深く、ゴトウイカと呼ぶ地域があったり、イカの活き造りで有名な佐賀県唐津市の呼子(よぶこ)では、ケンサキイカのことをヤリイカと呼んでいるから面白い。

ちなみに標準和名でアカイカと呼ばれるイカもいるからややこしい。こちらの標準和名アカイカは、茨城県の鹿島以北で夜釣りを楽しんでいる人には馴染み深いかもしれない。茨城県では標準和名アカイカを「ムラサキイカ」と呼んで夜釣りで楽しんでいる。

別種?同種?同じケンサキイカでも「タイプ」あり

産卵期は4~10月ごろと長期。ヤリイカに似た体型だが、比較するとケンサキイカの方がやや太め。このケンサキイカは、産まれた時期、生息場所で体つきに違いが見られるから面白い。ケンサキイカの中にもブドウイカ型(日本海に多い)、ゴトウイカ型(青森県以南に広く分布)、メヒカリイカ型があると言われる。例えばブドウイカ型は、あまり大型にならず、丸っとして厚みがあり、腕も短く太めといった特徴がある。

甘みが強くメチャうま

各地の釣り人に愛されている理由は、その食味も大きな要因。甘みが強く、刺身はもちろん、塩焼きにしても煮ても美味。メジャーどころのイカの中では、アオリイカの次にアミノ酸を多く含むと言われる。